角川文庫<br> 惨劇のヴェール

角川文庫
惨劇のヴェール

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 469p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784042541202
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

後から思えば、ウェクスフォードはほんの一足違いで事件を逃したのだった。その同じ偶然が、娘の車に仕掛けられた爆弾でばらばらに吹き飛ばされるのから、間一髪かれを救った。入院したウェクスフォードに代わって捜査の指揮をとってバーデンは、死体発見者の女性の息子を犯人とにらみ、取りつかれたように取り調べを進めた。だがその時かれは母と子の関係の底に隠された、摩訶不思議な、同時に恐るべき影の存在に気づかなかった。そして事件の本当の恐ろしさにも。ウェクスフォード・シリーズ、最大最高の長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

120
レンデルの人間に対する眼差しの強さはいささかも衰えない、実に読ませる。ショッピング・センターの駐車場で起きた1人の婦人の死。そこは様々な種類の店が並んだ複合施設。そしてその場に居合わせた人たちにはそれぞれ隠している過去があり、秘密がある。ヴェールを被って外に出ながら、そのヴェールを無理矢理剥がそうという人がいる。そして各々の過去や秘密によって新たな因果律が生まれ、惨劇へと発展していく。それぞれの人物が糸のように絡み合い、編み物のように丹念に織り込まれながら、惨劇というタペストリーをレンデルは見せてくれた。2019/11/07

bapaksejahtera

17
久しぶりのウェクスフォード。私の基準ではシリーズ復活の作品と思った。2つの事件が並行する。一つは本筋で、管内のショッピングモールでの老女殺人事件。死体を発見した別の老女の息子が精神的に不安定な男で、残された死体を自分の家のカーテンで覆ってしまった為にバーデン警部から本星として終始追求される。他の脇筋は主人公の次女の女優が反核運動に熱中して軍の施設を毀損、裁判に至る。この絡みで父親が爆破事故に巻き込まれる。精神不安男は尋問の結果却って警部に依存心が生じたり、連続恐喝事件が明るみに出たり盛り沢山な内容だった。2025/05/12

Ayah Book

17
わぁ~、これは面白かった。地味な話ではあるのですが、一見関係ないようにも思える様々な要素が編み物のように編み込まれていて、最後に浮かび上がってきた模様が、何ともグロテスク。。。だが、単純に犯人は異常者、というような描き方はしておらず、どちらかというと親和性があるとでもいうか、丁寧な描写で読ませるのがレンデルさん。クリフと呼んでもらいたがるクリフォードのキャラが良かったなぁ。ウェクスフォードシリーズの中でも、かなり上位に来る面白さなのではないでしょうか。2024/11/08

菱沼

3
再読。レンデルもののほとんどは実家に置いてあるので、内容もすっかり忘れ、初めてのような気持で読んだ。どうしてカウンセリングが終わったあと車の中でぼうっとしていたのか。どうしてつじつまの合わない行動をしたのか。これは精神の状態がどうであれ、誰でもやりかねない。人間って理科の実験のように、物事に対して等しく反応するわけじゃないのだ。バーデンという人は、時にどうしようもないほど保守的だけれど、クリフに依存されて狼狽するのが面白かった。その後の罪悪感もリアルだった。2017/07/10

Gen Kato

2
犯人は予測できたんですが、展開がものすごい。いろいろやってくれます、レンデル先生。あと凶器、びっくりでした。2015/10/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/55936
  • ご注意事項

最近チェックした商品