角川文庫<br> カタロニア讃歌

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角川文庫
カタロニア讃歌

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  • サイズ 文庫判
  • 商品コード 9784042334026

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

155
スペイン内戦と言えば、ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』もしくはアンドレマルロー『希望』を思い出す。だから、ファシズムに対する壮絶な戦いかと思いきや、冒頭からどこか長閑と言っていいほどの呑気さと、あの『1984』の雰囲気が一致しなかつた。オーウェルが スペインから逃げ出すきっかけとなるバルセロナの攻防戦ですら、我が身が受けた襲撃をどこか他人事に書いている。が、解説を読んで納得。反ファシズムの為に戦う労働党も一つではなく、オーウェルが戦った同盟はマルロー達とは違う。そしてこの文体。色々と考えさせられる。2017/08/17

mstr_kk

6
ジョージ・オーウェル、とにかく迫力がすごい。体験の記録としても、考えたことの記録としても、真実の力がみなぎっています。2024/01/10

荒野の狼

5
ジョージ・オーウェルがスペイン内戦に参加した時の体験談。38ページに及ぶオーウェルの生い立ちなどを詳説した解説は充実。本書を読み解く時、注意したいのは、オリジナルの共産主義思想の究極の姿とは何か、それに対してスターリン主義のとる粛清をはじめとする残虐行為・考え方の違いをはっきり区別すること。本作で「共産主義者」と書かれているところは、ほとんどは「スターリン主義者」と置き換えて読み、一般的・思想的な共産主義思想とはまったく別物である。2020/11/02

あば

3
角川文庫版。絶版?高畠文夫氏の訳が素晴らしい。訳者あとがきで紹介されているオーウェル批評家のレイモンド・ウィリアムズの言葉が印象深い。「オーウェルは大家とか予言者として扱うべき人物ではない。混乱し分裂した人物として取り扱い、読む場合に、注意深く吟味すべきである」。本書では現在ではもはや周知のことであるが、スターリン主義のもつ陰湿さが、現場にいた作者の目を通して生々しく描かれている。2015/12/23

メカメカ

2
ジョージ・オーウェルのスペイン内戦に関する本。オーウェルがスペイン内戦に参加する中で経験したことが記載されています。書き方としては主に故国イギリスで共和制派に不利な報道がされていたことに対する反論のような部分が目立つ。一方、現地ではソ連の影響下にある共産陣営、社会主義陣営内での争いなど、サラッと知っているだけでは知りえない話が色々出てきて、非常に勉強になる。スペイン内戦は日本ではマイナーな事象だと思うが、ヨーロッパの歴史上では結構重要そうな印象を受けた。2019/01/02

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