内容説明
「耳無し芳一」「ちんちん小袴」「ろくろ首」をはじめ、ハーンが愛した日本の怪談42編を叙情あふれる新訳で紹介する。江戸時代に詠まれた狂歌を、ハーン自らが解説した貴重なエッセイ「妖怪のうた」も収載。ハーンによる再話文学の世界を探求する決定版。
目次
第1章 「怪談」への旅
第2章 おとぎ国の妖精
第3章 転生譚
第4章 妖怪と悪霊のたくらみ
第5章 女と男の恐い話
第6章 妖怪のうた
著者等紹介
ハーン,ラフカディオ[ハーン,ラフカディオ][Hearn,Lafcadio]
1850年、ギリシアのイオニア諸島にあるレフカス島で、アイルランド人の父とギリシア人の母の間に生まれる。幼くして父母と別れ、19歳でアメリカに渡る。以後、世界各地を転々とし、1890年、通信記者として来日。同年、小泉節子と結婚する。1896年帰化し、小泉八雲と改名。東京帝国大学や早稲田大学で英語、英文学を講じる一方、日本人の内面や日本文化の本質を明らかにする作品を描き続けた。1904年没
池田雅之[イケダマサユキ]
1946年、三重県尾鷲市生まれ、東京育ち。早稲田大学社会科学部・大学院教授。同国際言語文化研究所所長。比較文学・比較文化論専攻。鎌倉てらこや会長
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
小泉八雲が収集した日本の怪談や妖怪の話を2冊にまとめてくれたもので読んでいて昔を思い出しました。というのは中学の頃に副読本で英語の八雲の怪談を収集したものを読まされた覚えがあるからです。「むじな」や「耳なし芳一」などです。雨月物語などで読んだ覚えのある話もありました。角川ソフィア文庫でまとめてくれているのでほとんど読めます。2022/10/20
ポチ
60
おどろおどろしく無く、切なく哀しい話が多い。有名な「雪女」や「耳なし芳一」もあり懐かしく感じた。ただ、「因果話」「破られた約束」は女の業の凄さというか、怖かった。朗読や読み聞かせにも良いとあったが、今の暑い時期にぴったりかも。2017/08/06
テツ
26
小泉八雲が収集&編集した日本の怪談。怪談というより怪異譚かな。幼い頃から聞かされた物語は成長した後も本人の道徳規範や人生観に何らかの影響を与えるんだろう。八雲が生きていた時代のようにSNSなど影も形もなく他の存在との交流が薄い時代ならばなおさら。などと考えながら読んでいましたが、そんな理屈とかどうでもよくなるくらいに『むじな』や『雪女』は面白いな。あらすじなんて当然知っているのに面白い。『むじな』ってあのラストの続きはどうなるんでしょうね。怪異と出会して暗闇に残された男は正気を保っていられたんだろうか。2020/02/03
みけ
24
1890年から1904年にかけて、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が収集し、外国に紹介する為に英語で書いた日本の怪談もの。本書は、翻訳者が子どもも読める様に平易な訳文にしている為、怖さはあまり感じなかった。日本の元々の怪談に比べ、ハーンによって登場人物達の心情等がしっかり書き加えられていて、物語として読み応えがあった。恋愛・嫉妬で化けて出るのは女ばかり。生きてる時は「女の方が切り替えがはやい」と薄情者扱いされるのになー。ろくろ首や雪女、耳なし芳一など、スター級の妖しいもの達が勢揃い。2019/03/01
やどかり
23
小泉八雲も収集した日本の怪談集。「耳無し芳一」や「雪女」などお馴染みの話も収録されている。転生譚、妖怪や霊の話など、様々な怪談が集められていて楽しめた。2022/11/25