内容説明
渡る世間はエセ面ばかり。誰もがかぶるガラスの仮面―。子どものころは誰でも感情と表情が直結しているものですが、大人になったら感情をそのまま表情に出すわけにはいきません。時には本当の気持ちを表情によって隠したり、適当とされる表情を作ってみたり…。そんな複雑怪奇な大人の面々を眺め、「なんでこの人は今、こんな表情をしているの?」「この顔の裏にはどんな気持ちがあるの?」と勝手に憶測し、表情に隠されたドラマと本音を鋭くえぐる、爆笑辛口顔面エッセイ。
目次
1 「見られたい人々」(女子アナ顔―ビールかけられて喜ぶ;モデル顔―一般大衆を見下す ほか)
2 「本能に従う人々」(カップル顔―愛がまきちらす害毒;寝顔―寝ている間に好かれたい ほか)
3 「困惑する人々」(サラリーマン顔―ゴミは出しても誇りは高い;乗客顔―自動改札でハマる人々 ほか)
4 「演技する人々」(新婦の友人顔―笑顔の影に嫉妬あり;患者顔―医者の前での従順 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
myunclek
10
様々な状況で人しか見せない表情の考察。ふむふむ、なるほどねと思ったり自分自身思い当たったり。よくもまあ、これだけのパターンを1冊のエッセイに出来たもんだと感心しきり。酒井順子初読み。2018/10/25
ハル
6
同感するところが多いけれど、どうでもいいと思う事も多かった。多分、作者がこれを書いた時より私自身が歳をくって、通り過ぎて来た事が多いのだと思う。エッセイって、書いてる作者の年齢も大事だなあ〜。2021/01/12
ますみ
2
酒井順子さんのエッセイはちょこちょこ読んでいるんだけど、今回の作品は、いまひとつ、テンポが合わなかったなー。書いてることは、わかるわかる~なんて共感できる部分もあるのだけど、なんていうか、ほんとにテンポが合わない(笑)。ま、そういうこともあるよねー。2017/06/26
cithara
2
酒井さんは昔から「自意識過剰」な人だったんだな、と改めて思う。ビールかけのレポート中の女性アナウンサーの様子とか、ドライバーの表情とか、私は全く考えたことがなかった。だから彼女の指摘にいちいち「ああそうだった…」と毎回感心させられているわけだが。でもいつも周囲を気にしている生活は疲れないだろうか? と酒井さんの精神衛生面が気になってしまう私。いくらそれが彼女の書きものの持ち味とはいえ… 彼女に比べたら辛酸なめ子さんは気楽なのかなあ。人間の目に見えない霊体が相手だし。なめ子さんなりの苦労はあると思うが。 2013/11/28
しろいるか
2
シニカルなところが読んでて爽快。2006/02/27