感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
171
映画などによくあるジンクスで『続編は失敗する』的な言われ方がありますが、本作はそんなジンクスを微塵も感じさせない見事な作品です。前作で自殺を図った「陽子」のその後から物語は幕を開け、「陽子」の出生の秘密を知った'家族'それぞれに思いはあり、苦しみや悩みもまたそれぞれに描写されています。それにしても「村井」先生が益々、ダーティで「啓造」と「夏枝」ももう少しなんとかならないかなぁと。まとも?なキャラに感じるのは「辰子」さんだけに感じるのは私だけなんでしょうか。「徹」と「北原」の'駆け引き'も益々気になります。2019/08/30
納間田 圭
146
多くの読者ファンから「ヨウコハ、シンデハナラナイ」なんて電報が作者に寄せられたらしい。そして…その4年半後に世に出た続編。心の芯が凍結必至です。よくもまあ次々と…こんなに不幸のオンパレードな展開。ゾクゾク…。温かった陽子の心が氷点に達し自殺未遂した…その続き。作者は陽子の生命を取らなかったし、そして陽子は殺人犯の娘ではなかったという吉報を与えたのだが。でもやはり…陽子の更なる氷点を迎える展開。新たに…陽子の生みの母の恵子と実の弟の達哉が登場する。出てくる人間の中で…なんの汚れも罪のないのは主人公の陽子だけ2022/06/13
大福
82
陽子は殺人者の娘ではなく「裏切りの中に、背信の中に生まれて来た」と…続編も重すぎる内容だけれども、やはり惹き付けられてしまう。下巻ではどんな展開になるのだろうか2019/02/15
Tsuyoshi
66
「氷点」のその後の世界。陽子の出生に関する誤解が解けつつも新たな事実が続々と発覚していき、その都度キリスト教上の「原罪」に関する記述も相まって陽子や啓三など罪に対する心境も不安や同様など迷いの日々が続いていく展開に。下巻へ続きます。2018/06/01
はらぺこ
63
『氷点』での事件(?)があってから陽子のプラス思考は薄れてしまうが、そこから少しずつ成長していく姿を見てると自分も色々気づかされる事があったので良かった。ただ、同じ様な事を啓造も考えてたりするが直ぐに夏枝や村井と接触する事によって台無しにしてしまうので情けない。でも、自分は陽子より啓造に近いと思うので悪くは言えない。 夏枝は前回の事がありながらも相変わらず。この人の考え方は怖い。辰子がおらんかったらどうなってるんやろ?夏枝の父親はええ事は言うけど結局娘は野放しやもんなぁ。 2011/09/25
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- 和書
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