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出版社内容情報
日本を代表するアニメーター、井上俊之が語るアニメ作画の真髄!
アニメーター・井上俊之がアニメの作画について注目の同業者と語り合う、「月刊ニュータイプ」誌上の人気連載「井上俊之の作画遊蕩」が待望の書籍化。語り起こしの対談を含むアニメ作画づくしの1冊!
内容説明
アニメーションと作画をめぐる、珠玉の対談集!!
目次
第1章 沖浦啓之と“リアル”の時代
第2章 黄瀬和哉と絵作りの技巧
第3章 安彦良和と作画システムの先進性
第4章 小林恵祐と日常芝居の説得力
第5章 鶴巻和哉とスタジオの美意識
第6章 鈴木亜矢と海の向こうの制作システム
第7章 友永和秀と近代的な作画のルーツ
第8章 森匡三と制作システムの理想形
第9章 山下清悟と新しいレイアウト
第10章 竹内孝次とレイアウトの歴史
補講 レイアウトをめぐる語りの歴史(高瀬康司)
著者等紹介
井上俊之[イノウエトシユキ]
’61年生まれ。大阪府出身。アニメーター。スタジオジブリ所属
高瀬康司[タカセコウジ]
’80年生まれ。アニメーション研究・批評。編著に『アニメ制作者たちの方法―21世紀のアニメ表現論入門』(フィルムアート社、’19年)。毎日映画コンクールをはじめ各種アワードや映画祭で審査員やプログラムコーディネーターなどを担当。東京都立大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bo-he-mian
16
井上俊之は、作画でアニメを観る通のような人にしか知られていないアニメーターだ。なぜかと言うと、キャラデザインや総作画監督と云った花形的な肩書きで仕事をする事が少ないからだ。しかし業界では「最強の助っ人」と呼ばれる超絶絵師の一人で、カリスマ的なアニメーターたちからも「一番うまい人」と尊敬される、ワンマンアーミーのような伝説のアニメーターなのだ。先ごろアカデミー賞を獲った宮﨑駿の『君たちはどう生きるか』で、本田雄、山下明彦、安藤雅司と共に作画を支えた四天王の一人だと言えば、その凄さが分かるだろう。2024/04/17
富士さん
3
カリスマアニメーターの作画論と見せかけて、レイアウト制の歴史探求。中でも触れられているように、誰が喜ぶの?というテーマですが、ワタシが喜びました。アニメ制作は複雑な分業が前提ですが、どのような分業にすべきかは任意です。しかも、現在ではレイアウト制の安易な普及が一原、二原の分離を生んでいろいろな弊害をもたらしているように見えます。必ずしも必須ではないレイアウト制がなぜ、どのように普及したのか、それがどのような意味を持っていたのかは、今こそ振り返るべきタイムリーなテーマで、さすがの着眼点であるように思います。2024/12/11
○
2
現行のアニメーション制作について知れる本。アニメーションについて数年離れている間にいつの間にか当たり前のように制作フローに現れるようになったレイアウトラフ、ラフ原の意味をようやく理解できた。タイムシートまでついているならたしかにそれはもう原画。第二原画のクレジットが膨大なのもこれで合点がいった。その場しのぎの方法が定着し、さらに悪化を続ける作画工程に対しての真摯な提言がみれる本。 アニメ、特に作画工程に興味関心のある人におすすめ。2024/05/25
まつだ
2
神々の語らい以外に感想がないんだけど、素人からの見た神とは全然違うんだろうなとつくづく思う。とにかくみなさん目がいい。それに尽きた。「空飛ぶゆうれい船」見よう。2024/04/04
オフレット
1
井上俊之は超人的な才能を持ったアニメーターでありながら,同時に「語る」ことを得意とした人物でもある。彼の的確な言葉の選択と表現のセンスにより,若手からベテランに至るまで,作画の「神々」の個性がありありと浮かび上がる。また本書は,アニメの制作工程における「レイアウト」が抱える問題点を指摘した書物でもある。アニメ制作に携わる人はもちろん,アニメファンにとっても必読の一冊。2024/11/18