出版社内容情報
武家から信頼の篤い蘭方医・久世に疑義を唱えたことで、凸橋家から召し放たれてしまった感九郎。父から勘当もされ、失意のうちに大川のほとりで得意の編み物をしていたところ、異形の男、寿之丞たちと出会う。成り行きから彼らの仕事「仕組み」を手伝ううち、感九郎のある能力が開花。そして召し放ちのきっかけを作った人物に接近する。その正体とは!? 江戸に実在した「編み物ざむらい」と異能集団が活躍する、新感覚時代活劇!
内容説明
武家から信頼の篤い蘭方医・久世に疑義を唱えたことで、凸橋家から召し放たれてしまった感九郎。父から勘当もされ、失意のうちに大川のほとりで得意の編み物をしていたところ、異形の男、寿之丞たちと出会う。成り行きから彼らの仕事「仕組み」を手伝ううち、感九郎のある能力が開花。そして召し放ちのきっかけを作った人物に接近する。その正体とは!?江戸に実在した「編み物ざむらい」と異能集団が活躍する、新感覚時代活劇!
著者等紹介
横山起也[ヨコヤマタツヤ]
編み物作家、文筆家。NPO法人LIFE KNIT代表、チューリップ株式会社顧問、株式会社日本ヴォーグ社「編み物チャンネル」顧問/ナビゲーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
86
編み物と時代小説というのは気になる組み合わせだな、と思い読んでみると予想以上に奇妙な味わい。父から勘当され居場所の無くなった感九郎は異形の男、寿之丞らと出会い彼らの仕事「仕組み」を手伝うことに。「仕組み」には感九郎お得意の編み物を応用するし、なるほどチームで悪人を懲らしめる話かと思いきやそれだけではない。超常的なことが起こるし異能が出てきたり変わった要素あり。主人公の感九郎も実は…といった調子で意表を突かれる。コンゲーム的な面白さもあり盛り沢山。回収しきれてない展開もあるけどシリーズ初巻だし、次巻に期待。2024/08/29
紫綺
63
編み物が得意な若侍?ゾーンに入ると、他人の心を編み物の如くするするっとほどく才を持つ。奇抜な設定の時代劇ではあるが、コミカルで楽しく読めた。2023/06/04
ほのぼの
51
昨今の編み物ブームに乗っかって〝編み物男子〟がタイムスリップしましたか…と思ったら、なんと!江戸時代には下級武士の内職として「編み物」が存在していたと知り驚いた。武士の内職は「傘張り」一択だと思っていた。(笑)主人公は若き侍・感九郎(19歳)。訳あって勘当され浪人となり『仕組み』と称する企てに加担する。つまりは「必殺仕事人、編み物ざむらい」てっきり悪人の首筋に編針を突き刺して…と想像したけど違いましたw。そんな物騒な話ではなく、情け深く、心優しく、清く正しい「編み物ざむらい」なのでした。続編が読みたい!2025/09/10
アイシャ
49
ある医者の不正を訴えたことで、お家から召し放たれ、実家からも勘当された感九郎。メリヤス編みの内職で鍛えた腕を見込まれて、ある集団の仲間となる。個性的な仲間たちと行う「仕組み」とは何か。一種の仕置きのようなもの。登場人物は魅力的でこれからも追っていきたいが、「穴」とか「檻」とかの話が少しばかり複雑でよくわからない。編み物が無我の境地に誘うというのはよくわかる。続きもあるようなので読みたい。2024/02/14
ざるこ
42
時代ものは苦手なのに。なぜこういうタイトルを無視できないんだ。まぁ編み物好きとしては読んでみようかとなった。物語としては家を勘当された感九郎がある裏稼業に手を貸し得意の編み物を武器にして不正を正していく時代劇。なかなか斬新な展開で、まるで超能力かのように相手の心が見えたり自分の中に白装束の自分がいたりと病んでるのかオカルトなのか。不老不死の仲間もいたりする。編み物で糸を扱い解くという事と相手の心を解く事を掛けた構成なのかな。面白いけど、コキリと久世の関係やあの超能力なんやったの?という疑問が残りモヤモヤ。2023/01/31