内容説明
北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜ―。垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。
著者等紹介
浅倉秋成[アサクラアキナリ]
1989年生まれ。2012年に『ノワール・レヴナント』で第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞しデビュー。19年に発表した『教室が、ひとりになるまで』で、第20回本格ミステリ大賞“小説部門”&第73回日本推理作家協会賞“長編および連作短編集部門”にWノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
180
「助けて、3人とも自殺じゃない!みんなあいつに殺されたの」と隣りに住む美月(幼馴染)が言う。学校創立から代々伝わる特別な能力が謎でハラハラした。 主人公の垣内は、嘘を見破る能力。あとの人はどんな能力なのか?創立者の書いた本!なるほど! 近くに人がいるのは、煩わしい。けれど、1人でいるのは耐えられないくらい寂しい。ラストには光がさす。面白かった。「六人の嘘つきな大学生」も先が予想出来ず、意外性があり面白かった。これもなるほどと唸るポイントが後半にたくさん出てくる。伏線の回収もお見事。 面白かった!2022/03/09
Kanonlicht
179
最近流行りの特殊設定ありのミステリ。能力隠匿系にありがちな、こう思わせといて実は…みたいなところは割とあっさりしていてやや肩透かしの感が。むしろ謎解きよりも、スクールカーストや同調圧力、陽キャと陰キャの分かり合えない隔たりなど、高校生の抱える闇の部分に迫った青春小説の趣が強いと感じた。あまりに命が軽く考えられていることに違和感を覚えるけれど、それは自分が歳とったからで、実際の中高生が読むとまた違う見え方があるんだろうな。2022/05/10
ハゲおやじ
137
三人の生徒が自殺し全校集会から始まる。垣内は、同級生を気遣う先生達の伝言係で美月を訪ねて…。特殊能力設定の話で、その縛りが絶妙で引き込まれる。犯人+能力探しを中心に進み、犯人の動機が読んでいるこちらにも重くのしかかる。…って 教師/クラスメートの嘘とか 高校時代から建前社会になっていたのかなぁと自分を振り返る。私も垣内と同じで”ひとり派”だったから、余計に終盤はグサグサ来たなぁ。カーストの上下共にお互いの気持など わかるはずもないか…。でも、隣に美月が居たら私なら最高なんだけどね(どーでも良いね)。2024/01/08
やっちゃん
113
隠キャの性根を見事に剥き出しにしてる。自分もひとりが大好きだけど別に陽キャがどうこうは特にないけどな。嫌いな人ともうまくやれるのが大人だよね。若者の負の部分ばかりで若さ溢れる青春は皆無だったがたまにはこんな黒い青春小説もいいかも。2023/03/03
茜
111
タイトルに惹かれて読みました。「教室が、ひとりになるまで」どうするのだろうと興味が沸いて、他の生徒が帰宅するまで残って何かをするのかなぁとか、もしや他の生徒を全員殺すとか?読む前から色々と空想してみたんですが半分ハズレで半分アタリみたいな?犯人(?)の目的には同意するけれどやり方を間違えたね。「私の究極の目的は、たぶんあなたたちと同じ。真の意味であのくだらないスクールカーストを撲滅させること。」スクールカーストなんて本当にくだらなくて、いらない物だなと思いました。 2023/12/20