内容説明
無一文からたたき上げて資産を築いた富豪の家に、一家皆殺しの恐怖の予告。不安に怯えていた次女が突然、失踪、蝋人形のように死化粧をされて発見された。現場に残された犯罪史上初の〈三重渦状〉の怪指紋。四日後の葬儀の日、黒く無気味に長女の頬に捺された怪指紋はつぎの殺人を暗示して…。復讐にこりかたまった殺人鬼、名探偵明智小五郎の冴えた追及の手が伸びる。江戸川乱歩の復讐怪奇物の大傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちこり〜た
3
【5点】小説からは脱線します。天知茂主演の土ワイシリーズで、蝋人形に偽装されて殺されたお嬢さん(原作の雪子さんかな?)が、土ワイらしく原作通り女性の裸体像として陳列されます。で、警察が発見した時に乳首の位置に悪魔の紋章が浮かび上がっていて一堂ギョッとする場面。その紋章が浮かぶ乳房の1番高い位置が肌様なんですよ。当時幼稚園かそこらだったと思うのですが、それを見た私の記憶。「へー、オッパイって剥がれるんだ」(!)どなたか詳細を覚えてる人いませんかね?(笑)。40年以上悩んでます。2019/07/17
ひめやさくら
3
再読。表題作は、実に乱歩らしい小道具に満ちた探偵小説。犯人の動機については、他の作品でも何度か見かけられたもので、特に新しさはないものの、犯人または被害者の二世代前の因果が引き金になっているその根の深さと執念は、ある意味時代なのかなと思う。「鬼」は推理クイズの教科書のような事件と謎解きで、ひょっとして当時懸賞付き小説だったのかな?と考えてみたり2015/04/25
Lilly
2
初めて江戸川乱歩の作品を読みました。長編で、最後の最後で大どんでん返しされ、驚かされました。文章が現代の書き方と異なっているので、そこが新鮮でした。トリックや発想が面白く、最初から最後までドキドキしていて楽しかったです。2014/04/03
ミカヅキカゲリ
1
【悪魔の紋章】気持ち悪くて、かなり気分が悪くなった。本の所為ではないと思いだたいけれど、本の所為だろうな。衛生展覧会やお化け屋敷など、グロテスクだった。トリックは判りやすいし、芝居を真剣にやったりいて、可笑しかったけれど、面白かった。明智小五郎が出てきてからはどんどん話が進んで行った。 【石榴】読んだことがあったけれど、トリックのどんでん返しまでは覚えていなかったので愉しめた。元ネタの本を読んでみたいな。 【鬼】つまらなかった。 2012/06/04
込宮宴
1
どこかで聞いたようなトリックの大盤振る舞い。だが、それでもページをめくってしまう。斬新なトリックやシチュエーションを乱歩に求めること、それ自体が野暮なのだろう。2012/06/01