出版社内容情報
修道院育ちのリーゼロッテは、明日レイモン伯爵と結婚する。王妃の朗読係になるための形式上の婚姻だ。
友人のハンスは猛反対するが、リーゼロッテはレイモンのことがずっと好きだった。形式上の妻でも、式の口付けがフリであってもかまわない。
しかし別々の部屋で初夜を明かした翌朝――レイモンは遺体となって発見された。刺殺という見立てに納得がいかないリーゼロッテは解剖を願い出る。
そう。彼女は「魔女」と畏怖される天才解剖学者。
夫の死の真相を突き止めるため、夫の願いを叶えるため、リーゼロッテは王宮に出仕する。
「マダム・ミニョン」と呼ばれた少女と王宮陰謀劇の幕開けだった――。
【目次】