内容説明
深部で進む「教育の地殻変動」に学力問題の第一人者が説く処方箋。
目次
1章 階層で学力が決まるのか。学力が階層を作るのか(授業の理解度、学習意欲に示される格差;家庭的背景が学力に大きな影響を及ぼす;学習時間の階層差とその拡大)
2章 義務教育の機会は平等に保たれているか(教育基本法改正が地域格差をもたらす;多様な価値観を否定する徳育教育;学習指導要領は学力を保証できるか;義務教育機会の不均衡化は経済格差を生む)
3章 これが教員勤務の実態だ―学校週5日制完全実施後の「教員勤務実態」調査報告から(現場の声に耳を傾けずに進めた教育改革―「教員勤務実態」調査1;教育改革は子どものために有効ではない―「教員勤務実態」調査2)
4章 教育政策をめぐる論点、論争(戦後教育の軌跡と現況、将来の課題―東京都立大学名誉教授、兼子仁氏との対談から;『大衆教育社会のゆくえ』以降 10年後のリプライ―日本大学教授、黒崎勲氏からの問題提起に答える)
5章 教育の綻びをどう修正したらいいか(学歴社会から学習資本主義社会へ;受験のレベルも授業のレベルも上げられない;「ダメ教師にムチ、優れた教師にアメ」政策は有効か;「自己実現」という名の迷路。フリーターからの脱出口はあるのか)
著者等紹介
苅谷剛彦[カリヤタケヒコ]
オックスフォード大学教授・東京大学大学院教育学研究科教授。1955年東京都生まれ。1979年東京大学教育学部卒業。1988年ノースウエスタン大学大学院修了(Ph.D.社会学)。専攻は教育社会学、比較社会学、現代日本社会論。『階層化日本と教育危機』(有信堂高文社)で第1回大佛次郎論壇賞奨励賞を受賞、『教育の世紀』(弘文堂)でサントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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