出版社内容情報
住まいの近くに必ずある、中・近世の城郭跡。自然に触れて心が豊かになり仕事への意欲もわく。いいことずくめの城歩き。歩けば武将たちの思いも見えてくる。全国の城びとを応援する著者による城歩き指南決定版。朝日新聞好評連載の書籍化。
内容説明
天守や石垣だけが城じゃない。藪をかき分け、城と対話すれば、歴史の真実がみえてくる。中世の城歩きは楽しい。石垣や門、櫓を観察し、草木に覆われた堀や土塁を進む。城の姿を脳内で描き、本丸をめざす。守り手は何に備え、攻め手はどう突破したか。武将の考え方、人となりまでも、城と対話することでわかってくる。第一人者によるこの本で、一生ものの楽しみの扉を開けよう。
目次
序章 楽しい城歩き
1章 城と何か―人類普遍の防御のかたちを訪ねて
2章 城から読み解く戦国の人と社会
3章 城で見る近世への胎動
4章 どうする家康―城から見た家康
終章 城歩きを支えるもの
著者等紹介
千田嘉博[センダヨシヒロ]
1963年生まれ。城郭考古学者。奈良大学卒業。文部省在外研究員としてドイツ考古学研究所・ヨーク大学に留学。大阪大学博士(文学)。名古屋市見晴台考古資料館学芸員、国立歴史民俗博物館考古研究部助手・助教授、奈良大学助教授・教授、テュービンゲン大学客員教授を経て、2014年から16年に奈良大学学長。現在、奈良大学文学部文化財学科教授。2015年に濱田青陵賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
58
新聞のコラムと金鯱ガイドブックの記事をまとめたものだそうで、その際の編集のせいか、ちょっとバランスが崩れている部分がある。しかし城に対する愛情を感じる1冊で、特に行政に対して歴史的なものの保全(バリアフリーに気を配ることも含め)注文を付けながら、ニコニコと城歩きを楽しんでいる雰囲気が良く伝わる。城の細部の見方についても色々学ぶことが出来た。歴史への踏み込みは浅めだが仕方がないかな。ちょっと残念なのは新書の限界だろうが地図や城の縄張り図が少なかったこと。やたらと著者の写真を載せるなら地図が欲しかったな。2022/12/05
kawa
35
「小牧・長久手の戦い」の家康勝利の原因は、大軍の姿を隠して出陣することが出来た小牧山城の巨大な横堀があったため等、著者の城郭研究から導き出す独自の歴史解釈が面白い。ただし朝日新聞の連載等を集めて書籍化したということで内容にやや統一感がなく、これから「城歩き」をするための基本知識を得たいという希望にはそぐわなかった内容。2022/11/24
金吾
24
城廻の視点を増やすことができる終章は読んでいて楽しくなります。西洋の城も良かったです。2025/05/22
Y.yamabuki
19
日本各地の城や歴史に関する部分はもちろん面白く読んだが、最初のヨーロッパの城を扱ったパートと最後の現在の城或いは城跡の保存状況に言及した章は目新しく興味深かった。TVではいつもニコニコしていて、お城を前にすると少年の様に目を輝かせている先生が、厳しい言葉で苦言を呈していて、新たな一面を知ることとなった。これもお城愛からのものだと理解できる。史実に忠実な復元とバリアフリー化の両立は可能だという主張は嬉しい。更なるご活躍を期待しています。2023/05/15
マツユキ
17
Twitterで千田さん自身が気になり、軽く、エア旅行のつもりで読みましたが、甘かった。海外のお城もあり、専門用語もありで、難しかったですが、こんな共通点があるのか、と面白かったです。国内は、大河をちらちらでも見ておいてよかった。城を通して、武将の人柄や人間関係が見えてきたり、現代に通じる問題点、復元やバリアフリーなどの城のあり方や、作者さんの人柄など、広く楽しめました。2023/03/06
-
- 洋書
- ¿Quién fu…