朝日文庫<br> 戸越銀座でつかまえて

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朝日文庫
戸越銀座でつかまえて

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022618894
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

【文学/日本文学評論随筆その他】40代、非婚。「自由」に生きることに疲れ、一人暮らしをやめて戻ったのは実家のある戸越銀座だった。老いゆく両親や愛猫2匹、近所のお年寄りとの日々で見つける新たな生き方とは? 旅する作家が旅せず綴る珠玉のエッセイ。《解説・平松洋子》

星野博美[ホシノヒロミ]

内容説明

40代、非婚。「自由」に生きることに疲れ、一人暮らしをやめて戻ったのは実家のある戸越銀座だった。変わりゆく故郷の風景、老いゆく両親と愛猫2匹、近所のお年寄りとの交流。そのなかで見つけた新たな生き方。“旅する作家”が旅せず綴る珠玉のエッセイ。

目次

第1章 とまどいだらけの地元暮らし(二つの町;妻妾同居 ほか)
第2章 私が子どもだった頃(仔猫と旅人;えこひいき ほか)
第3章 あまのじゃくの道(負け猫と負け犬;時間よ止まれ ほか)
第4章 そこにはいつも、猫がいた(皆既日食;時差 ほか)
第5章 戸越銀座が教えてくれたこと(二〇一一年三月十一日;防災訓練 ほか)

著者等紹介

星野博美[ホシノヒロミ]
1966年東京都生まれ。作家、写真家。2001年、『転がる香港に苔は生えない』で第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『コンニャク屋漂流記』で2011年、第2回いける本大賞、2012年、第63回読売文学賞随筆・紀行賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゼロ

99
一人暮らしをしていた著者が実家の戸越銀座に戻り、街の人々の交流を書いたエッセイ。一人暮らしにし敗北して実家に戻った、とあとがきに書いてあるように実家に戻ることに思うことはあったようだ。また愛猫・ゆきの死もあり、精神的に落ち込んでいたのが文章からも読み取れた。40代、非婚。著者の生きづらさをコミカルにエッセイに落とし、はっとさせられるような観察眼もあった。自由とは何か?の問いと自由を手にした何を手に入れた?の解。旅する作家ならではの、地元や高齢者の向き合い方があり、面白い本でした。2024/07/19

14
【自由という名の暴君が、人生を食いつぶし始めた】他者との会話は大事。猫との時間も大事。両方ある生活が、天邪鬼な著者の「怪物的自由」をゆるめていく。強かで臆病な、商店街の人々も気付きをくれる。誰もが必死にもがいているのだ▼「大人には、安心して聞きたい子どもの夢というのがある。(略)笑われるくらいならまだいいが、へんだと思われたらつぶされる。危険だと思われたら矯正される」(P.87)「思想確認」...なるほどですね。2020/12/11

makimakimasa

11
これまで著者の若い頃の香港滞在記、1人暮らしエッセイ、中国旅行記を読んできたが、本書は40過ぎての実家出戻りエッセイで、これまた興味深く手に取った。最初は周りの目を気にし過ぎで、随分つまらない自意識過剰に感じたが、子供時代を振り返るあたりから落ち着いてきて、世の中を斜めから鋭く捉えるいつもの視点は健在だった。溺愛した愛猫との別れや、地元お年寄りとの交流を通した心境変化、再生。その間、懐かしの皆既日食や、3.11その日の記録もある。自分は都内出身ながら戸越は死角で縁が無かったので、いつかぶらつきに行きたい。2020/05/24

Inzaghico (Etsuko Oshita)

7
星野が生まれたのは1966年の丙午。丙午の年は「女が男を食い殺す」ので女性が極端に少ないとは知っていたが、八百屋お七が丙午生まれなのが由来とは知らなんだ。丙午生まれの星野が、一人暮らしをやめて戸越銀座にある実家に戻ってきてからの日々を描いている。先日読んだ『首都圏大予測』にも、21世紀になってから吉祥寺はチェーン店が増えて魅力がなくなった、とあった。星野も、21世紀に入ってからの吉祥寺の激変ぶりに困惑し、武蔵野市に住む魅力がなくなったことも、実家に戻った一因に挙げている。一番の理由は愛猫の死だけれど。2020/04/20

さな

6
著者が精神的にまいっていた頃の作品と知らず面食らった。でも観察眼は鋭く、久しぶりの古里に戸惑いながらも多くのことを教わる著者。最後の2行ではっとさせられた章も多い。私も教わった気がする。2020/01/05

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