内容説明
関西学院の創始者の墓、日本で最初に靴をつくった人の墓、米国の初代長崎領事だった人の墓、日本の洋菓子の基礎を築いたモロゾフさんやフロインドリーさんの墓、明治元年のいわゆる堺事件で死んだフランス水兵11人の墓。安芸・備後のみちと、神戸・横浜の港散歩。
目次
芸備の道(安芸門徒;三業惑乱;猿掛城の女人;高林坊;岩脇古墳)
神戸散歩(居留地;布引の水;陳徳仁氏の館長室;西洋佳人の墓)
横浜散歩(吉田橋のほとり;語学所跡;海と煉瓦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
39
芸備の道・吉田町は毛利元就の本拠地。幕末の高杉晋作、山縣有朋等の英傑祖先の地でもあり。元就を主人公の岩井三四二著「天命」もチャンスがあれば再読したい。神戸、横浜散歩も一得の編。特に馴染みのない神戸には2泊3日位で訪ねたい。2020/08/09
かっぱ
35
「芸備の道」:毛利元就がいかにして版図を拡大していったか。その人間力のようなものが語られる。最初、広島=毛利が結びつかなった(毛利は幕末史から山口県のイメージが強い)。勝田から吉田までの道路に沿っての地名で長州藩の姓が並ぶ。「歎異抄」については蓮如は一般の人に見せないようにした。「神戸散歩」:神戸の上水道が完工したのは明治33年。他の都市に比べて遅いのは当時船乗りたちに世界一と言わしめたコウベ・ウォーターという天然水があったから。2018/03/03
AICHAN
30
図書館本。芸備の道を読んで、広島県の北部が出雲圏だと初めて理解した。古墳が多いという。その古墳について「やたらと土を盛りあげたがった支配者たちの顔が、どんな顔だったか、古代にゆけるものなら一目見てみたい。存外、高貴な顔などは一つもなくて、今の土地ブローカー、地面師、大型ゴミ不法投棄屋がその日からつとまる顔であったかもしれない……中略……欲望と活力のありすぎる、野卑な感じのひとびとであったかもれない」には笑ってしまった。2016/10/07
さきん
27
芸備の道は三次や吉田について細かく。郡山城を朝鮮の山城に例えたり、三次をたたら製鉄の歴史から考察したり面白い。横浜、神戸は移民の解説に重きを置く。朝鮮系、ロシア系、華僑、それに西欧から日本にやっていて骨をうずめたお雇い外国人、商人。2018/01/14
キムチ27@シンプル
26
筆者解説で芸備は古墳・大陸文化が残っている事を知る。それに加えて安芸門徒の存在。ここから石山へかぁ。 芸備は、戦国時代以前より武将も民も疾走した地域。信長・秀吉にかきまわされ、家康にいい様にされた宿命のロケーションを感じる。霧が湧いてくる地域だとは! 港町神戸と横浜。どちらにも親戚がおり、愛着はあるが・・神戸が好き。司馬氏は横浜に重厚さを評し、「文学の舞台になった」というが・・どうしてなかなか!宮本氏がいらっしゃる(もっとも司馬氏の頃は存在が薄かったか)横浜の歴史の語りで、関税と法制度の苦しみを再考2013/12/19