出版社内容情報
愛欲の追求に生きた男世之介の一代を描いた西鶴の代表作。国民に愛読されてきた近世文学の大古典を、文豪の現代語訳で味わう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミコヤン・グレビッチ
4
世之介の色好み一色の人生を縦糸に、そのライフステージの各段階で出逢う女性たちの話を、各話読み切り形式の横糸にして編まれている。面白みはむしろ横糸の方にあり、世之介の波瀾万丈の人生ドラマを期待して読み始めると肩透かしを食う。最初の幼少期のエピソードと、女護が島へ向けて出航して行方知れずになるくだりで、縦糸が物語の両端を括るという構成。「現代語訳」とはいえ、訳者の吉井勇は明治十九年生まれの人で、特に江戸時代の服装や風俗などに関して、フツーの現代人は知らない言葉が多用されるので、辞書なしでは読み通せなかった。2020/09/24
たか
3
ん~?今一合わなかったな…。2018/05/08
ゆね
2
現代語訳とありますが、古い言葉に近いため、すらすら読めるとは言えません。ただ、原書に近い流れや韻は楽しめると思います。2021/11/02
カールステンセン
2
関西文化に興味があり、また最近方々で西鶴の名前を目にしたため、読んでみました。現代語訳とはいえ文語的な表現が所々に見えて中々難しかったですが、まずストーリーが面白く、また江戸時代の生活風俗や風物が生き生きと描かれており、楽しく読めました。元禄時代はさぞ面白い時代だったのだろうなぁと空想を巡らしたりしました。世之介の粋な生き様もかっこいいとは思いますが、産ませた子供を捨てたりする部分には閉口もしました。2021/02/25
ちゅん
2
本能のままに生きる好色男の半生を描くもの。彼は60歳で国を離れてどうなったのでしょうか?2018/10/03