出版社内容情報
戦争とどう向き合い、受けとめるか──戦後、人々は直接的な体験の有無にかかわらず、戦争との距離をはかることによって自らのアイデンティティを確認し、主体を形成してきた。敗戦からの時間的経過や社会状況に応じて変容してゆく戦争についての語りの変遷をたどりながら、戦後日本社会の特質に迫る。解説・平野啓一郎。
内容説明
戦争とどう向き合い、受けとめるか―戦後、人々は直接的な体験の有無にかかわらず、戦争との距離をはかることによって自らのアイデンティティを確認し、主体を形成してきた。敗戦からの時間的経過や社会状況に応じて変容してゆく戦争についての語りの変遷をたどりながら、戦後日本社会の特質に迫る。
目次
序章 「戦後」後からの問い(問い直される戦争と戦後;戦後における戦争の語り;問われる戦争像;「戦争体験」から「戦争経験」へ)
第1章 「状況」としての戦争(一九三一‐一九四五)(中国での戦争;一二月八日の転換)
第2章 「体験」としての戦争(一九四五‐一九六五)(「体験」としての戦記;「体験」としての「引揚げ」と「抑留」;「公刊戦史」と「通史戦史」;帝国―植民地と銃後;歴史学の「太平洋戦争」)
第3章 「証言」としての戦争(一九六五‐一九九〇)(書き換えられる「戦記」;あらたな「引揚げ」記、あらたな「抑留」記;あらたな世代の「証言」;加害の戦争認識;「証言」の時代の歴史学)
第4章 「記憶」としての戦争(一九九〇‐)(「記憶」の時代のはじまり;「記憶」の時代の戦記・戦争文学;「記憶」の時代の帝国‐植民地)
補章
著者等紹介
成田龍一[ナリタリュウイチ]
1951年大阪府生まれ。日本女子大学で30年、教鞭をとる。歴史学者。近現代日本史。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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