内容説明
アスベストは、日本では全消費量の8割が建材に用いられてきた。そのため地震で建物が倒壊するとアスベストは飛び散り、阪神・淡路大震災では建築物の解体作業に携わった人に被害が出ている。これからすべきことは何か。
目次
1章 震災アスベスト問題が発する警告
2章 建築物のアスベスト飛散と発症
3章 復旧労働者・救護者への医療アプローチ―WTC倒壊と阪神・淡路大震災を事例に
4章 震災時のアスベスト対策の確立に向けて
著者等紹介
宮本憲一[ミヤモトケンイチ]
1930年生まれ。立命館大学政策科学部客員教授。大阪市立大学・滋賀大学名誉教授、専門は環境経済学
森永謙二[モリナガケンジ]
1949年生まれ。独立行政法人環境再生保全機構石綿健康被害救済部顧問医師。専門は産業医学、疫学
石原一彦[イシハラカズヒコ]
1958年生まれ。立命館大学政策科学部教授。専門は建築学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
8
『環境と公害』でアスベストは特集された模様(風樹文庫蔵書棚を昨日拝見)。石綿で天然産出の繊維状鉱物(森裕之教授2頁)。超微細繊維が肺にダメージを与える(3頁)。宮本憲一名誉教授は、二次災害としてのアスベスト災害という位置づけをされる(13頁)。被害労働者は社会的に弱い差別や貧困問題を抱えている(21頁)。告発しにくい立場であったという。日本の公害経験をアジア諸国への転ばぬ先の杖、他山の石の認識が伝わる。森永謙二先生は、細長い繊維が発癌性あることを指摘(33頁)。WTC倒壊時のばく露(39頁)は盲点だった。2013/11/10