出版社内容情報
姉妹たちがそれぞれの道を求めて出発したあと,ひとりヒルクレストに残ったグウェンは,毎日果樹園や菜園や花壇のせわに明け暮れていた.いつも控え目な彼女の心の奥に秘められた情熱が意外な形で噴出する.
内容説明
個性ゆたかな四人姉妹のそれぞれの青春。姉妹たちがヒルクレストを去り、ひとり残ったグウェンは土を相手に安定した毎日を過ごしているようだった。が、彼女の心の奥には秘められた情熱が…。中学生以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほたて
22
姉妹の中でただ一人ヒルクレストに留まり、庭を切り盛りしてヒルクレストを守ってきたグウェン、ボリュームのあるページ数を埋める物語があるのかなと思っていたけど、グウェンにはグウェンの秘められた物語があった。グウェンを暗い不安の底から救ってくれたアントニーは、再び孤独と後悔の中にグウェンを残して行ってしまう。独身を貫いたグウェンにフランセスと違った形の母性を感じる。続刊としながらもストップしているこのシリーズ…まだ埋まっていない空白とルーシーの物語をとても読みたい。2013/10/25
水色さくら
3
◎/すごいなあ、とただただ嘆息。こんなシリーズがあったことを今まで知らずにいたのが残念。でももう知ってるからいい。2013/03/10
強い仔馬
3
パーセル四姉妹の三女、グウェンの物語です。姉妹の中では地味な存在ですが、園芸の特技があったグウェンは戦争中は家族の食卓に貢献し、戦後はランを育てたり、花屋に販売したり、さらにはドイツに渡り、新しい世界を発見します。10台前半で恋人が戦死し、その後は独身を貫きます。他の姉妹が結婚して幸せになるので、彼女の人生は少し切ない気がします。第二次世界大戦の予兆もあり、ヒロインの若い甥たちも戦争に巻き込まれて行くことが暗示されているようで、全体に寂しく暗いトーンです。
杏子
2
四部作の最終巻。これだけずいぶん後になって読んだのでいろいろ記憶が薄れていたが、とても読み応えがあり、よかった。四姉妹の末っ子、グウェンの視点による物語。ヒルクレストを離れたがらない、グウェンにも彼女自身の物語があったということに改めて驚きを感じずにいられない。アントニー亡きあと、グウェンがどういうことを考え、自分にできることを出来る限りでやろうとしてきたか。ひきつけられた。もっとこのシリーズを読みたくてたまらない。セーラのその後とか、気になってしようがないのだ。出ないかな?むりかな?2015/08/10
NAGIA
2
姉妹の中の「地の塩」タイプ、グウェン。ヒルクレストを離れない彼女にも、こんな物語があったんだな。四姉妹それぞれを魅力的に描いていて面白かった。大人になったセーラの続巻もあるということだけど……日本では出ていないのかな?2014/11/04
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