出版社内容情報
少年シャスタは奴隷に売られることを知り,ものいう馬ブレーとともに,強国カロールメンからナルニアめざして逃げ出しますが….
岩波少年文庫 ナルニア国ものがたり
1. ライオンと魔女
2. カスピアン王子のつのぶえ
3. 朝びらき丸、東の海へ
4. 銀のいす
5. 馬と少年
6. 魔術師のおい
7. さいごの戦い
内容説明
漁師の養子シャスタは、奴隷に売られることを知り、ものいう馬ブレーとともにナルニアめざして逃げ出します。一行は途中で、ナルニアを不意打ちしようとする強国カロールメンの計略を知り、先を急ぎますが…。ナルニア国ものがたり5。小学4・5年以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
289
この巻では、年代記的に言えば、ピーターの治世下でのエピソードが語られる。主人公は新しい登場人物のシャスタたちである。物語の舞台は砂漠と、その遥か南にあるカロールメンの国。叙述からは絶対権力者の支配するオリエント。オスマン・トルコがイメージの源泉だろう。この巻に限らないのだが、「ナルニア国」の世界が、やや図式的であるのを免れないのは、異文化や、あるいは人間存在の中に普遍的にある未知なるものへの畏怖や憧憬に幾分か欠けるからではないか。つまり、ここでの世界構造はアスランに象徴される"絶対"が支配しているのだ。2015/10/23
れみ
91
ナルニア国物語5作目。ピーター王の時代。漁師の養子シャスタが、ものいう馬ブレーとナルニア目指して養父の元を逃げ出してからの紆余曲折の冒険物語。南の国から砂漠と険しい山を越えて北の国への旅。景色が目に浮かぶようでワクワクするし、良いところでペベンシー家のエドマンドたちやアスランが登場してオオッとなる。小風さちさんによる解説はイギリス人と馬の関係とかとても興味深いことがいっぱいあった。2015/12/30
たつや
48
本作はアラビアンナイトと、イギリスの馬文化をミックスした印象が強い。馬が普通にしゃべる。さあ、あと2冊で読了ですが、お正月に読まず、間を開けようか悩んでいます。ゲド戦記も気になっています。2016/12/14
星落秋風五丈原
38
【ガーディアン必読1000冊】ペペンシーきょうだいが国を治めていた頃のエピソード。CSルイスはよっぽどこのきょうだいが好きだったのかエピソード中登場最多。2006/08/07
まーみーよー
30
この巻はいままでのシリーズと世界観がやや異なり、ナルニアからみた世界ではなく異国、カロールメンからみた世界観になっている。のだけれど、カロールメン=アラブ、ナルニア=キリスト教国でナルニアが理想のように描かれている一面もあり、ちょっと気になるところだ。ナルニアファンとしては、ピーター王治世の時代なのにピーター王の出番が少なすぎたのがちょっぴり寂しい。本巻の主役、シャスタ少年の冒険物語としては少年の成長物語として面白く読むことができるのが良いところ。2023/09/05