内容説明
政府与党が強大化し,政権の暴走が続いている.政治家や官僚は劣化し,従来の政治の常識が次々と覆されている.対する野党の力は弱く,国会も役割を見失ったままだ.市民的自由への抑圧も強まっている.なぜ日本政治はここまで堕ちてしまったのか.内側から崩れゆく日本の民主主義を立て直す道はどこにあるのか.警世の書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
42
安倍政権に一貫して批判的な政治学者が著しく変質した日本の政治を危惧する一冊。 民主党政権の失策に乗じて安倍政権は労せずして支持率を稼ぎ、もはややりたい放題。 これまで先達が絶妙なバランスに立って築いてきた民主主義を立て直すには、自民党と野党との間で緊張感ある競争を実現させることが必要。現状に不満のある層の受け皿となったれいわ新撰組の活躍を取り上げたうえで、共産党も含めた野党が互いの政策の相違を認め、方向性を共有して一致できる点までは協力する連立政権を組み自民党に対抗できないかと提言します。2020/01/20
ゆう。
30
安倍政権に強い危機感を持つ著者による、なぜ嘘とごまかしの政治がまかり通るのか、強権政治が続くのかを分析している。安倍政権を終わらせるには、野党共闘しかないということがよくわかった。2019/12/07
おおた
22
わたしが学生時代に習った民主主義は少なくとも現在、失われている。そう思わざるを得ないことがちょくちょく報道され、そういうことが理路整然とまとめられている。本書を基準点としてこれからどう世界が変わっていくのか、個人的には悲観的だけど見届けていきたい。野党への批判、今後の提言などもあり、単に自民党政権を叩くだけではない。一方で維新については一言もなく語る意義もないのかしら。2020/02/08
TAKA0726
20
アベノミクスの公式は、裁量+規制緩和=利権。民主主義を終わらせないための五つの提言。1、権力を抑止する大きさと明確な政策的方向性を兼ね備えた野党の再構築。政党が違えば最終目的が異なるが一致できる中間地点まで協力する連立政権の樹立。2、阿部首相の国会論戦で言葉を破壊、無意味にしたのは最大の罪。国会の再建が必要。3、政治と行政、政治家と官僚の関係の見直し。4、権力に対する監視機能をもつメディアの回復。NHKのニュース報道も政府の宣伝に成り下がっている。5、民主主義を担う市民も課題、正義感、正確な認識が必要。2019/12/11
崩紫サロメ
15
安倍政権への批判というはっきりした姿勢を打ち出しながら、日本の戦後民主主義とは何だったのかを振り返る。55年体制の本質として「自民党内にある熾烈な競争と与野党間における競争の不在」という指摘があるとおり、従来は自民党の党派間で自浄作用が働いていた。その中で相互的寛容と組織的自制が「柔らかいガードレール」として働いていた。結局のところ日本において野党があまりに脆弱であるという見方には首肯せざるを得ない。民主主義を終わらせないための提言は最もであるが、見通しは困難であると感じる。2019/11/14
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