出版社内容情報
正確,平明な訳と,周到,懇切な注・解説・索引,決定版として定評ある本全集を,多くの御要望に応えて,ここに再刊いたします.人間や自然についてさまざまな問題が山積し,生き方や価値観が問い直されている今日,日常語による対話をもって,思想や生活のあらゆる領域にわたり,根源に至る思考をめぐらしたプラトンの著作は,われわれに豊かなインスピレーションを与えてくれるはずです.〈第5次刊行〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
boya
4
エウテュデモスのみ。まさかプラトンが滑稽劇(とまでは云えないか)を書いていたとは知らなかった。道理で他の解説でもあまり言及されていないわけだな。後半のディオニュソドロス&エウテュデモス VS ソクラテス&クテシッポス戦がみどころ。全編でソフィストの詭弁ぶりを思い切り皮肉っている点がおもしろい。2014/11/03
sonohey
2
【エウテュデモス】ハイレベルな頭脳戦だったというか、時間の無駄だったというか。〈ソクラテス〉昨日の議論を回想する。相手の詭弁で場を盛り上げ哲学の魅力を語る。〈クリトン〉息子の教育には詭弁より哲学。〈エウテュデモス、ディオニュソドロス〉詭弁というか屁理屈というか子供の口喧嘩にもならないような議論をひたすら続ける兄弟。〈クレイニアス〉イケメン。詭弁兄弟の前に瀕死。〈クテシッポス〉クレイニアスの愛人の一人であり、言論上で彼を亡き者にされ激高し議論に乱入、詭弁兄弟と激論を繰り広げる。ある瞬間10倍以上大きくなる。2021/07/09
Yoshi
2
プロタゴラスは文庫で読んだのでエウテュデモスのみ。 ソフィストであるエウテュデモス、ディオニュソドロス兄弟の詭弁に対しソクラテス、クテシッポスが挑む話。 知識がある、学ぶなどの言葉から引出される両義的な意味合いを駆使してある、ないを好きなように変えていくソフィストは全く話に中身はないのだが賢いことをやってるなと言った印象。 後半の詭弁は滑稽ではあるが、言葉の意味合いを組み替えて論敵を倒すに偏るやり方は今のツイッターバトルを見ているよう。 全集はプロタゴラスと並べてこの順番で読めるのは良い、理解度が深まる。2020/07/19
Doederleinia berycoides
2
エウテュデモスとその解説のみ。 哲学的内容はもちろんのこと、議論・争論の経過も非常に楽しめるものとなっている。2010/12/14
ShiTan
1
エウテュデモスだけ。訳が読みにくいと思った。2013/09/23