内容説明
こみいった人間模様の、いくぶん風変わりな大家族。三度の結婚をした明治生まれの忍耐強い母のもと、子どもたちはみな、懸命に生きることを学んだ。作家・檀一雄の二十一歳年下の異父妹にして物理教育者の著者が、青春時代に影響を受けた兄一雄や、異父姉たちの思い出、自然に親しみ、家族や知人と交わるのをよろこびとした母の姿を、初めて綴る。
目次
花に逢わん―兄檀一雄の晩年
丘の上の家―昭和初期の子供の情景
石楠花の庭―疎開生活と母の奮闘
自由の季節―家族それぞれの新生活
「火宅」の傍らで―石神井の兄と私
草花に彩られ―中央林間での母の暮らし
武家の面影―母の幼き日々
心の宝物―晩年の母
笑顔とともに―母の最期
思い出の地へ―母亡き後の旅
著者等紹介
笠耐[リュウタエ]
1934年、福岡県生まれ。物理教育者。お茶の水女子大学理学部物理学科卒業。元上智大学理工学部助教授。長年にわたって物理教育に貢献のあった個人やグループに贈られるIUPAP‐ICPE(国際純粋応用物理学連合‐国際物理教育委員会)メダルを2002年受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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これでいいのだ@ヘタレ女王
17
3度の結婚を経て10人の子供を産み、先妻の子供4人も分け隔てなく育てた主に母の話を檀一雄の異父妹の著者が書いた話。文学者ではなく物理学者の彼女の書く文章は正直、読み辛く、面白みにも欠けてはいるが、聡明な母の子供は賢く育つのだな、と思った。兎に角3人の異父、それぞれの子供と登場人物が多く話が飛ぶので 読むのに時間もエネルギーも必要とした2015/01/19
Miyaz
0
火宅の人の筆者の異父妹が、書いた話。時代が前後して、書かれている部分もあり、ページを戻りつつ読んだ。賢い人のお子さんも、やはり賢いというのが素直な第一印象。2015/05/10
あんPAPA
0
壇一雄への興味から異父妹の著者の作品を手に取った。女性の描く家族の描写は淡々としていると云うか独りよがりと云うか…。この場合は筆者が物理教育を専門としているが故か。しかし兄弟姉妹が仲睦まじくしているのは母親の徳だろうか?2022/03/26
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