半透明の美学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000244619
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C0070

出版社内容情報

半透明――透明でも不透明でもなく、白でも黒でもない曖昧な世界にこそ、従来の芸術観を刷新する豊かな可能性が潜む。アリストテレスからドゥルーズに至る哲学的思考と数々の芸術作品との交差点から姿を現す「半透明の美学」。

内容説明

なぜ「半透明」に注目するのか。そこからいかなる新しい世界が開示されるのか。しかし、そのどっちつかずの両義性にこそ、従来の芸術観を乗りこえる感性と思考の潜勢力が宿っているのだとしたら?アリストテレスをはじめ、聖書、ダンテ、メルロ=ポンティ、ドゥルーズ、ジャンケレヴィッチらの言葉と、リヒター、ドラクロワ、クレー、ベーコン、ジャコメッティ、モランディ、デュシャンなどの“灰色と埃の美術史”との交差点から、知られざる「半透明の美学」が姿を現わす。

目次

第1章 透明でもなく、不透明でもなく(なぜ半透明なのか;透明性vs.不透明性 ほか)
第2章 半透明の美学=感性学(アリストテレスの「ディアファネース」;「ディアファネース」と「分有」 ほか)
第3章 半透明のイコノグラフィー(灰色、あるいは「色の震え」;灰色の魔術師、ゲルハルト・リヒター ほか)
第4章 半透明の星座(「肉」と「ディアファネース」;「肉」の検討と展開 ほか)

著者等紹介

岡田温司[オカダアツシ]
1954年生まれ。京都大学大学院教授。西洋美術史・思想史。著書に『フロイトのイタリア』(読売文学賞)、『モランディとその時代』(吉田秀和賞)、訳書にロンギ『芸術論叢』(監訳、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

10
アルベルティは絵画を透明な「窓」として定義した(透明性のメタファーとしての窓)。グリーンバーグのモダニズム美学は、絵画の本質をマチエールの物質性/支持体の平面性、つまり表象そのものの不透明生に求める。しかしながら、筆者は、この二つの立場も、表象-再現のイデオロギーから逃れられてはいないという点で本質的には変わらないものであると述べる。本書はアリストテレスの提示した「ディアファネース」という概念を手がかりに新しいパラダイム、正しく「半透明の美学」を探る試みである。2022/02/19

ひろ

5
【再読】ノート整理の為に読んでみた。やっぱり講義を受けてから読むと、読むスピードも入ってくる内容も違う。灰色と埃については、論文で言いたいことに近いような気がするけど、今ここで上手く言えぬ。。。要再再読かな。2015/01/23

メルセ・ひすい

3
14-07 赤14-06 コンパクトで明快!岡田流、世界表象文化論へのいざない(°∀°)b  アリストテレス、聖書、ダンテ、メルロ=ポンティ、ドゥルーズ、ジャンケレヴィッチ、らの言葉…リヒター、ドラクロア、クレー、ベーコン、ジャコメッティ、モランディ、デュシャンから「半透明の美学」が忽然と現れる交差点。透明でも不透明でもない曖昧な領域「半透明」。アリストテレスの「ディアファーネス」なる概念を探索の糸口に、古今の芸術と思考を自在に往復しながら、半透明の世界の豊かな輝きを照らし出す。  2010/10/22

ひろ

2
【再読】ノート整理の為に読んでみた。やっぱり講義を受けてから読むと、読むスピードも入ってくる内容も違う。灰色と埃の部分は、論文で言いたいことに近いような気がするけど、今ここで上手く言えぬ。。。要再再読かな。2017/04/06

半透明

1
読みごたえのある一冊だった。 名画をみたときに、なんだか分からないものが心にあり それを言葉で表現することができなかった経験があり、感動したのになぜ言葉にできないのだろうと疑問に思っていた。無ではなく、何かの中間にあるものからそういった体験をしたのだと改めて感じた。2021/11/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/638988
  • ご注意事項