出版社内容情報
半透明――透明でも不透明でもなく、白でも黒でもない曖昧な世界にこそ、従来の芸術観を刷新する豊かな可能性が潜む。アリストテレスからドゥルーズに至る哲学的思考と数々の芸術作品との交差点から姿を現す「半透明の美学」。
内容説明
なぜ「半透明」に注目するのか。そこからいかなる新しい世界が開示されるのか。しかし、そのどっちつかずの両義性にこそ、従来の芸術観を乗りこえる感性と思考の潜勢力が宿っているのだとしたら?アリストテレスをはじめ、聖書、ダンテ、メルロ=ポンティ、ドゥルーズ、ジャンケレヴィッチらの言葉と、リヒター、ドラクロワ、クレー、ベーコン、ジャコメッティ、モランディ、デュシャンなどの“灰色と埃の美術史”との交差点から、知られざる「半透明の美学」が姿を現わす。
目次
第1章 透明でもなく、不透明でもなく(なぜ半透明なのか;透明性vs.不透明性 ほか)
第2章 半透明の美学=感性学(アリストテレスの「ディアファネース」;「ディアファネース」と「分有」 ほか)
第3章 半透明のイコノグラフィー(灰色、あるいは「色の震え」;灰色の魔術師、ゲルハルト・リヒター ほか)
第4章 半透明の星座(「肉」と「ディアファネース」;「肉」の検討と展開 ほか)
著者等紹介
岡田温司[オカダアツシ]
1954年生まれ。京都大学大学院教授。西洋美術史・思想史。著書に『フロイトのイタリア』(読売文学賞)、『モランディとその時代』(吉田秀和賞)、訳書にロンギ『芸術論叢』(監訳、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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半透明