内容説明
人間言語に共通する特徴(普遍性)と変異の幅(多様性)を見出すために、世界中の多数の言語を比較し、言語の全体像やその構成部分を形式的特徴に基づいて分類するのが言語類型論である。その方法論と知見に馴染むことは、種々の文法理論、日本語学、言語獲得や言語心理学を専攻する人にとっても今後ますます重要になるだろう。新しい研究成果を取り入れながら、基本事項を明快に解説したテキスト。
目次
第1部 言語類型論の基本
第2部 語順の類型論
第3部 形態論的類型論
第4部 名詞句の関係的・意味的性質
第5部 動詞カテゴリー
第6部 複文
著者等紹介
ウェイリー,リンゼイ・J.[ウェイリー,リンゼイJ.][Whaley,Lindsay J.]
1993年、ニューヨーク州立大学バッファロー校でPh.D.(言語学)を取得。現在、ダートマス大学言語学・認知科学科準教授。研究上の主な関心は、言語類型論、統語理論、語順の変異性、バントゥー諸語、ツングース諸語、危機言語と言語復興
大堀壽夫[オオホリトシオ]
1992年、カリフォルニア大学バークレー校でPh.D.(言語学)を取得。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻助教授
古賀裕章[コガヒロアキ]
現在、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程3年
山泉実[ヤマイズミミノル]
現在、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程3年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shiba
2
類型論で扱われる語順や格、使役構文、複文の構造などといったさまざまなトピックを広く紹介しています。早とちりしてはいけない留意点も含め、丁寧に慎重に書かれている印象。訳のおかげもあるのかもですがとても読みやすく感じます。言語学の幅広い分野の復習にも有用だと思いました。2022/03/14
susu
2
いろいろな言語に触れられて、類型論はほんとに楽しいです。ただ、複文はどうしても退屈に感じてしまう…。2014/04/12
ami
0
言語類型論、言語学がどんなことをやるか知るのに範囲の広さと内容の深さがちょうど良い。2017/03/12
susu
0
どの章も興味深い内容で楽しく読むことができました。とくに格の体系は様々な言語の事情がしれてためになりました。た だ第4章で主語や目的語の話をしているのに能格絶対格の話が出てきて、混乱を招きかねないと思いました。2013/06/30