出版社内容情報
好評を博した前作『昭和不良伝-越境する女たち篇』の「男たち篇」.激動する日本の近代を生きたふたりの日英混血児,藤原義江と倉場富三郎の流転の人生と彼らの生きた時代の空気を,異人種間の愛のドラマ「蝶々夫人」に重ね合わせて劇作家の目が描写する.
内容説明
「富国強兵」から「被爆」まで―。激動する時代のはざまを駆け抜けたふたりの日英混血児、倉場富三郎と藤原義江の生きざまとかれらが生きた近代日本の青春と破局。好評「昭和不良伝」第二弾。
目次
ある晴れた日に―倉場富三郎(父、トーマス・グラバー;そろばん・ドックと現地妻;混血児富三郎;オペラ『蝶々夫人』の誕生;トロール漁業 ほか)
蝶々夫人の放蕩息子―藤原義江(もう一人の蝶々夫人;第一の恩人―藤原徳三郎;第二の恩人―有山寅槌;第三の恩人―瓜生寅;第四の恩人―鍋島嘉門 ほか)
著者等紹介
斎藤憐[サイトウレン]
1940年生まれ。劇作家。早稲田大学露文科を中退し、俳優座養成所に入所。’66年、自由劇場結成に参加する。後に演劇センター68を結成。’80年に、「上海バンスキング」で岸田戯曲賞を、’97年に、「カナリア」で第22回菊田一夫戯曲賞を受賞する。著書に、「上海バンスキング」「クスコ」「グレイ・クリスマス」「はつ恋」「ボルシェ―自動車を愛しすぎた男」「アーニー・ハイル劇場―GIを慰安したレヴューガール」「昭和不良伝―越境する女たち篇」ほかがある
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感想・レビュー
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EG98
0
長崎グラバー邸の主、倉場富三郎と日本オペラ界の草分け、藤原義江の評伝。著者の我がにじみ出る文体はさいしょ気になったけれど、登場人物への厳しさと愛情を感じると慣れてくる。タイトルに富三郎と義江の名前が出ていないのはなぜだろう。帯にでも描いてあってそれでいいという判断だったのかな。読んで良かったです。2016/05/11
fuchsia
0
蝶々夫人の舞台のモデルとされる長崎グラバー邸の2代目当主富三郎と、藤原歌劇団の創始者藤原義江という2人の日英混血児の波乱万丈な人生をややセンチメンタルに描いた評伝。富三郎の最期が悲しい。
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