内容説明
「婦系図」「日本橋」「明治一代女」等々新派名狂言、名台詞の数々を配し、爆笑のなかに名優の一生が浮かび上がる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
50
戯曲。井上ひさし版“昭和と女優(含 女形)”。観劇の予習で読んだけど、出演者感染で秋に延期。若手女形の小森新三とか、着付け担当さんたちのドタバタとかが面白そうで楽しみ。半年後、読んだこと忘れてる たぶん。2023/03/23
ヨーイチ
14
戯曲。発表は二十世紀の終り辺りか。全然記憶にない。余り当たらなかったのだろう。樋口一葉とか漱石を扱っているので、その系統であろうとは想像できる。井上ひさしと水谷八重子の結び付きがちよっと意外。水谷八重子の大ファンばかりの個人病院が舞台。いやこれは町医者だな。戦前の柳橋。考えてみると、どれにも作者の履歴が投影されてない。井上ひさしは山形出身で新派的な情緒とは最も遠い所に居た作家で、そのギャップが見所なのかもしれない。2015/01/22
nightowl
2
戦時下、新派マニアの集う医院での人情物語。人のエピソードでこの遣り取りは○○(作品名)...!!と勝手に喜ぶマニア同士の会話が堪らない。怪異の泉鏡花好きとしてはそんなに「婦系図」も「日本橋」も愛されていたのかと吃驚。時代背景を確認して戸惑うくらい、軽快で微笑ましいほっこりする秀作。女形にも比較的ページを割いている。2021/06/08