ジェネレーション“P”

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  • サイズ B6判/ページ数 370p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309206523
  • NDC分類 983
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ロシアを代表する作家の最高傑作。ソ連が崩壊しCMコピーライターとなった主人公とともに展開されるめくるめく悪夢のような世界。

【著者紹介】
1962年生まれ、ロシアで最も支持を集める作家。「チャパーエフと空虚」「青い火影」「虫」など邦訳も多数。

内容説明

舞台はソヴィエト崩壊から1990年代までのモスクワ。嘗ての価値観が完全に崩壊した世界に放り出され、通りに建ち並ぶキオスクに雇われ人として職を得たタタールスキィは広告業界に転身し、コピーライターとなる。主な仕事は西側ブランドの広告をロシアのメンタリティに合ったものに変換するというものだった。驚くべき展開の果てにタタールスキィは奇怪な殺人儀式をへてヴァーチャル空間の新たな創造者として君臨し、メディアとして遍在することになる。現代ロシアで最も支持される作家ペレーヴィンの代表作。大胆な方法的実験によって描かれる90年代ロシアの悪夢と混沌。

著者等紹介

ペレーヴィン,ヴィクトル・オレーゴヴィチ[ペレーヴィン,ヴィクトルオレーゴヴィチ] [Пелевин,Виктор Олегович]
1962年11月22日モスクワに生まれ、モスクワの中心にある名門校第三十一学校で学ぶ。1979年にモスクワエネルギー大学入学、1989年まで同大学大学院で学び、同年にゴーリキー文学大学の通信科に入り直す。その間、大学で知り合った作家アリベルト・イェガザーロフが学内で起こした出版社“神話”の副社長の一人となる。80年代末には他社の雑誌編集にも携わるようになり、一般向け科学雑誌『科学と宗教』で東洋神秘思想部門を担当しながら、同誌に自身初となる掌篇作品「呪師イグナートと人々」を発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そふぃあ

23
ドラッグやベニテングダケでトリップしまくりで、現実とヴァーチャルと空想妄想の境目が無い。境界という概念にはもはや意味がなく、脳が感じるものすべてが<現実>ということだろうか。そう考えると世紀末に出版された本としては時代を先取りしていてすごいなぁと思う。解説には活字媒体(メディア)は最も一般的で且つ合法的な<ドラッグ>だと書かれている。SNSやスマホは拡張された現実にトリップするためのドラッグなのだ。 とか色々考えたけど、なかなか難解だったので読むのに随分時間がかかった。2020/10/17

ボーダレス

14
恐らく、推測的断定は出来ないが、ソ連・ロシアでの広告・CM、メディア媒体を通して政治的主義・思想、社会情勢を皮肉っているのではと思う。主人公であるコピーライターがペプシコーラから始まり“議会”を意味する煙草のパーラメントや旨さ爆発 ネスカフェ等の数々のキャッチコピーを言葉遊びや連想ゲーム的に書いているのだがドラッグやアルコールにより酩酊、トリップ状態に加え難解な神話を交えた抽象的物言いは私的には、まぁ面白いけど「わけ、わかんねぇ~⁉」状態w。巻末にある69もの注釈も付け翻訳も大変だったのでは…と思った。2019/02/13

きゅー

11
コピーライターが主役らしいし、これは読みやすそうだと思った自分が馬鹿だった。『チャパーエフと空虚』同様に、非常に読みづらい一冊。神話的世界と、新しい時代を迎えようとするロシア社会が綯い交ぜになった世界観は彼独特のもの。本来ならば相まみえることのないものが、力ずくで押し込められ、暴力的に一つにまとめられている。そして『恐怖の兜』にも見られたように、宗教とテクノロジーの融合が昇華され、いずれにも与しない物語世界を生んでいる。彼はいざ長編となると、あまりに密度が高く、重い物語を書くようだ。2014/07/14

ヴィオラ

9
久しぶりのペレーヴィン。読んでる間は楽しいんだけど、読み終わった後に考えるといったい何を読んだんだかわけ分かんなかったりするw 「汽車ぽっぽ」と「ヴォフチクちん」しか覚えてないw2024/03/02

すけきよ

7
「ゴスプランの王子さま」や『恐怖の兜』と同様、神話をバックボーンにして、現代のテクノロジー(カルチャー)による地獄めぐりの物語。ペレーヴィンの物語は、型落ちした機械の匂いなんだよね。それも、今作は、CMやニュースといった現実を写す鏡の業界を舞台にしているにもかかわらず、やはり野暮ったい。主人公たちが請け負う仕事が、西欧メーカーのCMのローカライズという、まさにお下がり的なもの。今作では、人々が見ている真実でさえ虚像であり、全てを作り上げる虚像ならば型落ちもしない境地にまで達しいている。2014/06/12

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