出版社内容情報
あたしは,月のように死んで,生まれ変わる――この七歳の娘が,いまは亡き我が子? いまは亡き妻? いまは亡き恋人? そうでないなら,はたしてこの子は何者なのか? 三人の男と一人の女の,三十余年におよぶ人生,その過ぎし日々が交錯し,幾重にも織り込まれてゆく,この数奇なる愛の軌跡.プロフェッショナルの仕事であると選考委員たちを唸らせた第一五七回直木賞受賞作,待望の文庫化.(特別寄稿:伊坂幸太郎)
内容説明
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる―この七歳の娘が、いまは亡き我が子?いまは亡き妻?いまは亡き恋人?そうでないなら、はたしてこの子は何者なのか?三人の男と一人の女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく、この数奇なる愛の軌跡。第157回直木賞受賞作。
著者等紹介
佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年8月25日、長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部中退。1983年、『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞を受賞。2015年『鳩の撃退法』(小学館、2014年)で第6回山田風太郎賞を受賞。2017年、『月の満ち欠け』で第157回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきら
262
鳩の撃退方法でファンになり、読みました。 超面白かったです。 小説という娯楽を存分に楽しませてくれます。 超おすすめです。 2022/03/14
やいっち
239
最後は退屈で流してしまった。肌合いが合わない。伊坂幸太郎ら作家陣も称賛するのだから、優れた作品なのだろう。 だが、推理小説に限らず、「月のように死んで,生まれ変わる」というから輪廻転生なのだろうか、こういった純粋小説からは食み出す意匠を採り入れる作品の通弊として、人間探求の切っ先の鋭さが撓んでしまう気がしてしまう。 書き手として小細工に神経が奪われていると感じる。直木賞なら泥臭くてももっと人間味を描いてほしかった。2022/07/07
hide
180
今まで味わったことのないテイストの小説で、期待以上に面白かったです。輪廻転生を描こうとすると、妙に宗教的になったり、ファンタジーになったりしそうだけど、そんな感じは全く無く、瑠璃の関連性も絶妙と思いました。時系列の記述でないのも読みにくいようで実はテイストとして効いているのでしょう。どっぷり深みにはまらず、含みを残した終わり方、これも良かったです。私の中では近年まれに見る良作でした。2021/01/17
KAZOO
177
はじめての作家さんの小説ですが、久しぶりに日本文学での恋愛小説を読むことができました。読んでいて昔かなりはまった福永武彦の小説を思い出しました。輪廻転生のような感じの物語で読んでいてかなり引き込まれてしまいました。この作家の小説を少し読んでみようかなという気持ちになりました。2020/04/01
まさきち
163
生まれかわりというとついついSFやファンタジーを思い浮かべてしまいがちでしたが、これは再び会いたいという信念に裏打ちされた素敵な恋愛小説でした。2023/02/07