出版社内容情報
沖縄学の父,伊波普猷.「民族」文化の自立と従属のはざまで――近代沖縄の矛盾と苦闘しつつ,民俗研究の独自のフィールドを切り拓いた民間学者の生涯を追う.近代思想史上,他に類をみない文体を獲得した思想の全体像.
内容説明
沖縄学の父、伊波普猷―。ヤマトによる政治支配と文化侵略のもとで、沖縄文化の固有性を守り、民族の独自性に拠って立つ道はあっただろうか。伊波普猷は、その問いを担って、民族文化の自立と従属のはざまを歩み続けた。日本近代の民間学史上、稀有な学風と文体を育てた個性の秘密を探る評伝。
目次
第1章 世替りを受けとめて
第2章 新知識人の誕生と帰郷
第3章 『古琉球』
第4章 精神革命の布教者
第5章 転回と離郷
第6章 「孤島苦」と「南島」意識
第7章 「父」なるヤマト
第8章 亡びのあとで