空海の風景〈上巻〉 (新装改版)

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  • サイズ B6判/ページ数 347p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120036453
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

平安の巨人空海の思想と生涯、その時代風景を照射して、日本が生んだ人類普遍の天才の実像に迫る。読みやすい大きな活字の新装愛蔵版。

内容説明

弘法大師空海の足跡をたどり、その時代風景のなかに自らを置き、過去と現在の融通無碍の往還によって、日本が生んだ最初の「人類普遍の天才」の実像に迫る。構想十余年、著者積年のテーマが結実した司馬文学の最高傑作。昭和五十年度芸術院恩賜賞受賞。

著者等紹介

司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923(大正12)年、大阪に生まれる。大阪外国語大学蒙古語科を卒業。1959(昭和34)年、『梟の城』により第四十二回直木賞を受賞。67年、『殉死』により第九回毎日芸術賞、76年、『空海の風景』など一連の歴史小説により第三十二回芸術院恩賜賞、82年、『ひとびとの跫音』により第三十三回読売文学賞(小説賞)、83年、「歴史小説の革新」により朝日賞、84年、『街道をゆく―南蛮のみち1』により第十六回日本文学大賞(学芸部門)、87年、『ロシアについて』により第三十八回読売文学賞(随筆・紀行賞)、88年、『韃靼疾風録』により第十五回大仏次郎賞をそれぞれ受賞。1991(平成3)年、文化功労者に顕彰される。93年、文化勲章受章。日本芸術院会員。1996(平成8)年2月、死去
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感想・レビュー

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ロマンチッカーnao

20
司馬さん自身がこれは、小説だからと何度か断りをわざわざ入れている。それほど小説らしくない小説。散文風でもあり、エッセイ風な箇所もあり、司馬さんがちょくちょく顔を出す雑文集のようでもある。司馬さんに会いたい。と作中に言うように、とにかく、司馬さんがその膨大な知識と想像を駆使して、空海に迫る渾身の作であることは間違いありません。唐に渡す船が難破し、唐の田舎についてしまい、海賊と疑われながら、その危機を救い一気に歴史に登場するときの文章は白眉。空海だけでなく、司馬さんもまた歴史に残る巨人であると思う。2021/01/26

ろし

16
上巻は、空海の誕生から遣唐使として、唐に渡り密教を伝承すべく、恵果和尚に会うところ迄が、記されている。小説としての著者の想像で補完されている。四国ではお大師さんとして、慕われている弘法大師であるが、中々の策略家であり、色々な側面が見れて読み応え充分。 2017/11/07

シン

14
内容が内容だけに読むのに時間が掛かりました。しかし、読了後の充実感はありました。下巻も読みますが、休憩を挟ませていただきたいと思います。2015/03/28

nemunomori

11
空海誕生から、唐長安において密教の最高権威である恵果和尚に対面するまでを描く。ときに桓武帝の時代、地方豪族の苦心、遷都に翻弄される都人、遣唐使の過酷な船旅、長安の絢爛にいたるまで活き活きと描き出される時代背景を背負って、若き日の空海が鮮やかに浮かび上がる。作者はこの作品の為にどれだけ膨大な資料を読み込んだのだろう。悟り澄ました神様ではない、ただ凡そとてつもない情熱に生きた空海の鼓動を感じた。2015/08/09

湯一郎(ゆいちろ)

10
史料から当時を推測する様子を小説として読ませるという手法。読みやすい。佐伯氏の出自を大和政権の成立あたりから話し始め、入唐して恵果に出会うまで。『沙門空海〜』もこれを踏まえていると思うと感慨深い。「あの空海として会う方がよかろう」というのは、やはり真実だったのかも。ちなみに、空海は全てを善悪に分けるマニ教やゾロアスター教をお伽話としたとあるけど、仏教がそういう面を持たずにいられたのは、儒教がそれを担当していたからこそなんだろうなあとも思った。空海著作の『三教指帰』も読んでみたい。2018/05/20

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