皆がよく分かったつもりになっていて、実はまったく分かっていないこと。小熊英二氏は『単一民族神話の起源』、『日本人の<境界>』などの著書によって、そのようなことを次々と明らかにしてきた。『<民主>と<愛国>』では「民主」や「愛国」といった手垢がついたように感じられる言葉を新鮮に捉え直している。それらの言葉は「戦後」を語る上で重要なキーワードとなっている。戦後生まれだから「戦後」をよく知ったつもりになっている人には、特に読んでもらいたい1冊だ。
(大場・札幌本店)
美談ではない。何せシカノはワガママだ。自分を「カリスマ」だと勘違いしているし、エロおやじだし。シカノは人工呼吸器をつけ24時間介助を受けて自立生活を営んでいる筋ジストロフィー者だ。ボランティアや有償の介助者たち離れていかないのか。離れていかないのだ。なぜ。読めばわかる。読んでも分からないかもしれない。
(松野享一・洋書部)
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