出版社内容情報
養老 孟司[ヨウロウ タケシ]
著・文・その他
内容説明
イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか。そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちは様々な「壁」に囲まれている。それを知ることで気が楽になる。世界の見方が分かってくる。人生でぶつかる諸問題について、「共同体」「無意識」「身体」「個性」「脳」など、多様な角度から考えるためのヒントを提示する。
目次
第1章 「バカの壁」とは何か
第2章 脳の中の係数
第3章 「個性を伸ばせ」という欺瞞
第4章 万物流転、情報不変
第5章 無意識・身体・共同体
第6章 バカの脳
第7章 教育の怪しさ
第8章 一元論を超えて
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937(昭和12)年神奈川県鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年東京大学医学部教授を退官し、現在北里大学教授、東京大学名誉教授。著書に『唯脳論』『人間科学』『からだを読む』など、専門の解剖学、科学哲学から社会時評まで多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
339
何かの能力に秀でている人は、別の何かが欠如している。ある種の特殊な能力があるからといって、賢いとはいえない。社会的に頭がいいという人は、バランスが取れていて、社会的適応が色々な局面でできる人。本当の天才は、社会的に迷惑な人であることが多い。適応力、反応力、発想力。どちらが「バカ」なのか…。いくら脳や身体を調べても、わからない「壁」がある…。皆さんの考えを巡らせてほしい。個性、自己、独創性とは何か。どちらになりたいのか。本はきっかけを与えてくれるもの。答えは誰も教えてくれない。考えた末に自分の内に育つもの。2019/05/02
抹茶モナカ
331
一元論に陥り、思い込みというバカの壁に囲まれないよう、脳科学の知識も絡め、警告する新書。壁に守られる生き方もあるとは思うけど、その場合、壁の存在は認識してないと、いけないんだろうな。わかりやすい本で、身体性についてが、最も多くのページをさいて述べられていた。2015/04/26
ykmmr (^_^)
258
自分は何かあったり、1つの事に対して、考え込んでしまったり、答えを出すのに勤しんでしまう。つまりは しょっちゅう、『バカの壁』にぶつかっている事になる訳で。自分の仕事になんかには特に言えるけど、「確実」・「完璧」・「正解」なんてないのにね。自分でも無駄な時間と分かっているつもりだよ。だけど、先を心配しすぎてそれを求めてしまうんだよ。色んな目線を持てるように…それは心掛けているつもりだから、視線を増やしたり、相変わらず読書等で情報や感性を入れながら、100点満点を求めずに、バランスよく生きていきたい。2021/05/31
absinthe
247
脳科学者の先生が書いたエッセイです。一般向けに書いてますが読みやすいとは思わないです。 なんだか何かを言おうとまとめた本ではなくてボヤキを列挙した散漫な感じです。 筒井康隆によるパロディーの「アホの壁」の方が面白かったです。
mitei
243
読破した。つまり一面的に物事を見てると碌なことがないってことかな?そして初心者にもわかり易い内容だった。2011/02/12