出版社内容情報
【この本をお薦めします!~紀伊國屋書店札幌本店・伊藤】
本を読んでいると音楽が流れてくる。そんな本はあるものだと思う。この本を読んでいて流れてきたのは、ブルーハーツの「夕暮れ」だった。登場してくる人達1人1人がそれぞれバランスをとりながら毎日を過している。不安定な中をそれでも歩いているのだ。そして主人公の翠は最後に「光ってみえるもの」を見るのだ。読んだ後に「はっきりさせなくてもいい…。」というメロディーが浮かんでくる。そんな淡い物語である。
内容説明
ああ、やっぱり僕は早く大人になりたい―友がいて、恋人がいて「ふつう」からちょっぴりはみ出した家族がいて…生きることへの小さな違和感を抱えた江戸翠、16歳の夏。みずみずしい“家族小説”の誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
がいむ
33
タイトルもだれかの詩なのかしら。ひとつの章に必ず短い詩や短歌のフレーズが引用されています。構成をいろいろ考えた作品なのかなと思うけど、お話自体は少し変わった家族の物語でとてもなめらかで読みやすい。大人びた高校生、翠くんが主人公。長崎の島の場面がいいのと、自由な母親が「ばかばかばか」「だめな母親で、ごめん」とけがをした息子に言うところが普通でほほえましい。いろんなことがありながらもよい人に恵まれている息子にほっとする。2014/04/27
もぺっと
27
祖母と母と暮らす16歳の翠くんが主人公だが、ストーリーがあるような、ないような物語で、川上ワールドという感じ。大鳥さん、花田くん、キタガーくんなど登場人物が少々変わっていて、浮世離れしたような人たちが多い。ことばの端々もどことなくユーモラスで、味わいがある。翠くんや花田くんの、こういうモヤモヤした感じ、それが思春期なんだろうね。2016/02/23
tom
15
川上弘美を順番に読む。今までの作品とはがらりと趣が変わって、リアルな世界にちょっと近づいた感じ。とはいえ、川上さんが書くものだから、ありそうできっとない家族の関係性が現れる。主人公の友人関係もまた同じ。主人公の親友はある日、セーラー服を着て通学しようと決める。彼は異性装障害ではない。何か心に期するものがあって、それがセーラー服着用につながった。そして主人公と彼の女友達は、親友といっしょに登下校する。この凛々しさと川上さんがこの風景を選び取ったことに私はちょっと心惹かれる。2025/12/30
ゆう
13
主人公を取り巻く人たちが、禅問答のような掴みどころのない会話を繰り広げる…妙にツボにハマった。 最後、翠の成長物語みたいになったけど、前半の会話部分が特に面白かったかな。2021/06/19
ヒラP@ehon.gohon
12
「自分に遺伝子を提供してくれた男」と、母親と祖母。どろどろしてしまいそうな、怪しげな関係に、不思議な親友、女友達、わけのわからない担任教師。これだけのキャラクターが織り成すのはとてもピュアな物語でした。小説そのものが光って見えました。2016/05/09
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