ちくま学芸文庫<br> 『ボヴァリー夫人』論〔増補決定版〕 上

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ちくま学芸文庫
『ボヴァリー夫人』論〔増補決定版〕 上

  • 著者名:蓮實重彦【著】
  • 価格 ¥2,035(本体¥1,850)
  • 筑摩書房(2026/10発売)
  • 澄みわたる秋空!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~11/8)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480513762

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内容説明

著者の方法を全面展開した代表作、遂に文庫化!
明かされる「テクスト的な現実」

どこまでもその「テクスト的な現実」に即して『ボヴァリー夫人』を読解すること――。それによって作品は驚くほど豊かな相貌を見せることになろう。

===
「何も書かれていない書物」たることを夢見て生み出された『ボヴァリー夫人』。この作品をどこまでもその「テクスト的な現実」に即して分析したものが本書である。「エンマ・ボヴァリー」という固有名詞の不在の指摘を嚆矢として、手や足、数字といった細部の考察、さまざまなフィクション論などをめぐる批判的検討がなされる。周到かつ繊細な読解によって明らかとなる細部相互の齟齬と照応、差異と類似の共鳴。それらを通じ、テクストがまぎれもなく運動の惹起やみずからの変容、つまりは生成の流動とともにあることを読者はつぶさに知らされるだろう。蓮實批評の方法を大規模に示した代表作。

【目次】
凡例
序章 読むことの始まりにむけて
Ⅰ 散文と歴史
Ⅱ 懇願と報酬
Ⅲ 署名と交通
Ⅳ 小説と物語
Ⅴ 華奢と頑丈
Ⅵ 塵埃と頭髪
註

目次

序章 読むことの始まりにむけて/批評的なエッセイ/「完璧さ」からは遠く/確定しえぬもの/Ⅰ 散文と歴史/他人の名前/『ボヴァリー夫人』/ボヴァリー夫人(たち)/フィクション/エンマ・ボヴァリー/歴史/散文/Ⅱ 懇願と報酬/夢と成就/苦い勝利/匿名/無為/僕ら/僕/Ⅲ 署名と交通/署名/信用/話法/交通/反復/失策/手形/廃棄/往復/虚言/静止/Ⅳ 小説と物語/長編小説/セナリオ/三部構成/余白/同時多発/作者と話者/意識と話法/しかし/話者/Ⅴ 華奢と頑丈/足の痛み/足の悲劇/足の裏/偏心/隠蔽/露呈/Ⅵ 塵埃と頭髪/少年/流れ/気化/距離/切断/禁忌/運命

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ツッチャン

1
蓮實重彦は巨大だ。確か映画生誕100周年の催しだったと思う。リュミエール兄弟とメリエスの映画の解説のために登壇した姿は、まさに見上げるほどの背丈だった。本書が蓮實氏にとっての「主著」だと呼ぶ誘惑に身をゆだねることは、決して本書を語るにふさわしいふるまいではないことは言うまでもない(笑)。それは、「監督小津安二郎」「伯爵夫人」「凡庸な芸術家の肖像」「物語批判序説」などがあるからではなく、『作者の死』以後のポストモダン批評の詳細にわたる実践だからだ。「中心」はあくまで「とりあえず」のものでしかない。2026/10/03

ゴリラ爺

1
「テクスト的現実」のもとに先行研究や批評にひたすら難癖を付けていくことで、対象となる『ボヴァリー夫人』の2倍以上の長さの本をものすという偉業を達成した金字塔的な批評的エッセイ。『ボヴァリー夫人』を頻回再読し、研究書も相当数読んでいる立場からすると、目新しい発見や斬新な切り口があるわけでもなく、ただただ難癖の付け方に舌を巻くばかりの読書となった。批評的エッセイに拘るというのではなく批評的エッセイという半端なジャンルでしか認められない質・内容と言うべきか。今のところ『凡庸な芸術家の肖像』の方が遥かに面白い。2026/07/19

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