内容説明
独露関係史の第一人者による「新しい世界史」
本書は二〇~二一世紀の世界史を、百年以上にわたるドイツ=ロシア(ソ連)の関係を中心に論じた歴史書。一般的に二〇世紀は「アメリカの世紀」として評価される。しかし、二〇世紀の国際政治はドイツとロシア(ソ連)の関係からも大きな影響を受けてきた。本書は、二〇世紀を規定した革命や暴力やテロル、独裁と民主主義の経験、社会変動や国際協調の進展(ないしその失敗)をドイツ=ロシアの関係史として論じ、二〇世紀を「ドイツ=ロシアの世紀」として描き出す。まさに二〇世紀の「新しい世界史」と呼べる内容だ。
本書の特徴は、ウクライナ戦争に起因するアクチュアリティと叙述の魅力にもある。現在ロシアが深刻な脅威となり、この問題で独特の存在感を有しているのがドイツなのだ。
世紀にまたがる革命と戦争、隔絶と交流の歴史。最新の研究成果と物語性を兼ね備え、現代の喫緊の諸課題にも示唆に富んだ歴史書。NDR(北ドイツ放送)が選ぶノンフィクション書籍賞最終候補作品。
著者はロストック大学正教授。ドイツとロシア・東欧・近現代史専攻。戦後ドイツ外交史研究を牽引する歴史家。]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たけふじ
0
「革命と動乱(=社会体制、政治)」「テロルと暴力(=戦争による民間人犠牲)」、そして下巻の「隔絶と交流」の3つの切り口から近現代史を並行して描く。興味深いのは、双方が中欧/東欧の大国である相手に圧力を掛け合い、あるいは影響されて(たとえばテロルのエスカレーションなど)歩んできた点。特にナチ/ボリシェヴィキ政権についてはの上で「革命的メシア主義に没頭する左派と、民族主義的な地域特殊主義を志向する右派」(p254)に分かれつつも、全体主義であり、WW1の結末への不満という共通点を持つという論考は腑に落ちた。2025/01/27




