内容説明
人はなぜ大きな事件に魅了されてしまうのか。
噂は、軽薄な娯楽だ。
25年前、平穏だったはずの地方都市は、百貨店受付嬢誘拐殺人事件の発生、その報道により揺り動かされ、「噂」という大量の炎が、加害者のみならず被害者にも降り注ぎ、燃えさかった。ようやく静けさを取り戻したかに見える町に燻り続ける因縁が、いま新たな事件を呼び起こす――。
「もう言われてるよ! どうせ、親が殺したんだろうって!」――本文より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
514
地方都市で発生した小学生失踪事件が25年前の女性誘拐殺人と結びつき、親や教師が追い込まれていく描写が息苦しいほど読まされる。無事を祈りながらジリジリ心を削られる関係者に、氾濫するネットの悪意が容赦なく襲いかかる。担任教師の恋人である地元紙記者が懸命に事件を追う一方で、市民には新しく消費できる娯楽でしかない落差の恐ろしさ。さらに過去の殺人犯がほのめかす隠された謎に、児童虐待を窺わせる男の登場とページを繰る手が止まらない。深まる混迷の中で、少年たちの真っすぐな行動が大人の思惑を壊して突破口を開くのだ。(続く)2026/06/21
tamami
439
本を読む面白さを、小説回帰で取り戻そうと、書店店頭に平積みされている辻村作品を手に取ったのが大正解。そのまま上巻を深夜までかけて一気読み。全体の構成、登場人物の設定、情景描写、SNS時代の社会現象の掘り下げetc.どれをとっても一級品だろうと思う。各方面に渡る綿密な取材、練りこまれたストーリーと心を抉る心理描写に堪能させられ、唯々ページを捲る。全くのフィクションである由、謳われているけれども、現実と見まがうばかりな物語の持つ真実性に感服させられる。今年一番の収穫を得た思いで、感動の赴くままに怒涛の下巻へ。2026/06/07
菅原孝標女@ナイスありがとうございます
405
図書館の予約が待ちきれずKindleで購入。大好きな辻村先生の超大作と聞いてドキドキしながら読んだ。登場人物が多いのにちゃんとそれぞれ区別してすんなり読めるようになっている。さすがすぎる。ファイアドーム、なるほどそういう表現だったか。タイトルの意味が割と序盤で一旦回収?されて鳥肌。子供目線が上手な辻村先生ならではだなと。誘拐事件の真相は?もうひとつの事件の真相、現代の事件の真相は―?しかもめちゃくちゃいいところで終わって、..私上下巻の作品読むの初めてでは!?と驚き。笑 すぐに下巻にとりかかります。2026/08/21
hirokun
385
評価は下巻読了後 皆さんの評価は高く、いろいろ話題になっているようですね。興味深く上巻を読ませてもらった。このまま下巻に突入。2026/07/08
Kanonlicht
352
25年前に誘拐殺人事件が起きた町で、男子小学生の失踪事件が発生。その子どもの家族、同級生、思わぬ形で巻き込まれた担任教師とその恋人の新聞記者が、それぞれの立場で事件に深く関わっていく。事件そのものはもちろん、誰かがふと発した憶測がさも事実かのように流布されていく経緯にも恐怖を感じた。実際の世の中でも、事故や事件の報道が流れると「親は何をしてたんだ」「あいつが怪しい」とテキトーなことを言う人がいるけど、そこから始まる苦しみがあることを忘れてはいけない。2026/07/06




