内容説明
相対性理論、量子力学、超ひも理論のさらに先にある、新しい理論であるホログラフィー原理。物理学者たちが長年追い求め、そしていまだに未達成である「四つの力の統一」を説明できる可能性をもった、物理学の最新理論です。それは「重力が司っているこの世界は、じつは重力とは関係ない力とその力を受けて運動している物質からなるホログラムの像のようなものである」というものになります。この世界がじつは重力と関係なく、ホログラムのようなもの? という量子力学よりもさらに不思議でつかみどころのない最新理論を、京都大学の誇る人気物理学者、橋本幸士先生が一般向けにわかりやすく解説します。
目次
第1章 宇宙は何からできているのか?
第2章 ホログラフィー研究の今
第3章 ミクロの物理学、その成功と立ちふさがった大問題
第4章 重力とはどのような力なのか
第5章 ホログラフィー原理の歴史--ブラックホールが生んだ原理
第6章 ホログラフィー原理は力を時空と置き換える
第7章 ホログラフィーの未来--超ひも理論がホログラフィー原理を証明するか?
第8章 量子もつれが時空をつくる? ワームホールとホログラフィー
第9章 はたして、私たちの宇宙はホログラフィックなのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
38
難しそうなタイトルだが、非常にわかりやすい比喩を交えての解説がよかった。ただし全くの専門外なので、本文にもあるように「粗い」大雑把なイメージとして捉える以外のことが私にはできないので、最新の科学理論を紹介してもらえること自体が申し訳ないと思うくらい有難いです。「幻」という衝撃的な言葉で世界を語るわけですが、なぜそんな比喩で語ることが適切なのかも、また解説で納得。量子もつれとブラックホールを関係づける記述なんて、全く初めての出会いです。びっくり! 忘れていた「超ひも理論」がここでクローズアップされるとは!2026/07/07
haruka
30
数学的にはかなり強い根拠があるのに、証拠はまだないホログラフィー原理。 時空という舞台に量子が存在するのではなく、無数の量子がマクロな時空をつくり出している。 量子もつれなどの量子同士の関係性が、私たちには距離・空間に見える。 天才マルダセナの革命的論文 「重力の存在しないミクロのシステムが、重力を生み出す。元々考えられていた世界よりも空間次元が高い世界で重力現象は創発する。」 このへんすごく面白い!著者の守りが固くてなかなか明言しないからもどかしいけど、空間の秘密について何が言いたいのか察すると面白い。2026/10/08
テイネハイランド
26
「物理学者のすごい思考法」を楽しく読んだ橋本先生の本業に関するポピュラーサイエンス本です。著者いわく構想10年以上の力作なのに私の場合一晩で読みましたが、こういう本はじっくり読めば理解度が上がるわけではないのでとりあえずOKだと思っています。共形場理論とか反ド・シッター時空とか名前がかっこいい用語が出てくるし、ブラックホールとかワームホールとか量子もつれとかSFでおなじみの概念も出てくるしで、物理学には素人の私としては、その道の達人によるすごい話を聞かせてもらったという印象でした。2026/07/28
tom
19
2回読んで登録。1回目は途中で分からなくなる。でも、量子もつれの項を読み、スルスルと頭に入って来たのが嬉しくて、最初から読み直すことに。2回目も途中で混乱が始まったけれど、それでも1回目ほどのことはなく、けっこう面白がって読み終える。次元が一つ増えると、重力が現われる。そしてこれにはヒモが関係している。なんのこっちゃという感じもあるけれど、そうなのかもという気にさせてしまうのが、この本のすごいところ。以前読んだ超ひも理論と「高次元空間を見る方法」が役に立った。この分野の最新の状況を教えてくれる良書です。2026/08/20
若井水色
19
日本語でホログラフィー原理について解説している一般書って少ないから助かる。他には大学程度の物理の理解が必要だったり、訳書もあるにはあるが話がいろいろ込み入りすぎたりで帯に短し襷に長し状態。この本はコンパクトにエッセンスだけを取り出して解説してくれている。スタートはこれくらいでなければ。超対称性頑張ってくれ~2026/06/08




