内容説明
著者による『映画を早送りで観る人たち』の待望の続編!
〈倍速視聴〉から見えたコンテンツ消費における〈コスパ〉〈タイパ〉という欲望は、
読書においてはどのように作用しているのか。
本作では、「本を読めない人たち」への徹底取材をはじめ、
テキスト受容を取り巻く読者と出版社/ウェブメディアの現状をリポートする。
一体「本を読めなくなった人」は何を考えているのか。
2010年代以降、本が読まれないことが当たり前になるなか、
ほとんどフォーカスされてこなかった。
生の声を取材することで、現代社会のメディア状況への考察を深めていく。
【目次】
プロローグ
第1章 ニュースを無料で読む人たち
――無料ウェブメディアの行き詰まり
第2章 本を読まない人たち
――〈わかりみ〉と〈おもしろみ〉
第3章 本と出合えない人たち
――無料抜粋記事と電子書籍の限界
第4章 本屋に行かない人たち
――聖域としての書店
終 章 紙の本に集う人たち
――読者と消費者
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ@no book, no life.
124
本がワインと同列になる。つまり好事家が懐古趣味的に興味を満足させる物が紙の本でその場所は書店であるという事。興味深く本に纏わる現代検証論でカルチャーショックを受けた本でもあった。長い文章を若い世代が読めなくなってきているからとか溢れる動画環境に支配されているから等は分かる伏線。例えば僕が大好きなガソリン車や腕時計やJAZZ・クラッシック音楽なぞと最早同等だという事。好きな好事家が好きな者同士で密かな優越感に浸りながら愉しむ物。軽自動車やApple Watchでも良いのだ。一方でそれで良いのかという僕も居る2026/03/22
tamami
94
非常に衝撃的な内容であった。ややネタバレ的になるけれども、スマホやAIがごく身近なものになることで、将来的には「読書」という行為、あるいはまとまった文章を読むということ自体、ごく少数の限られた人間の行為になってしまうかもしれない、という。著者は、人々がどのような形で知識に接したり情報を得ているのか、インタビューや様々な調査事例を通して分析し、現代の若者がいかに本を読まないか、またその必要を感じていないかを、これでもかと強調する。その帰結が上記である。我々は、本を読むことの面白さを知る最後の世代になるのか。2026/02/19
みねね
44
序盤は「読書人」の溜飲を下げるためのファスト教養dis本かなぁと思っていた。ところがどっこい。全方位に暗澹たる未来を提示するオソロシイ本である。なかなか重厚だったな。そのターゲットはビジネス的教養、動画主体のコンテンツや世代、負け続ける出版業界、ジリ貧のライター・作家だけでなはなかった。筆者は何と、鞍上であぐらをかく、文明的でsophisticateされたインテリエリートな、読書が趣味でオシャレなカフェで読書インスタ上げちゃう、俺ってチョベリグな我々にも矛先を向けるのだ! なんたる平等主義!2026/02/24
十川×三(とがわばつぞう)
39
良書。書籍業界は想像以上に深刻。Z世代が高齢者時代,紙の本や書店や新聞が絶滅しているのではないか?! 皆無でなくても,現在のレコードのように細々と愛好家が趣味とする世界▼「読者」と「消費者」の説明は分かりやすい。価値観が違いすぎる▼書籍一冊読み通し理解できるのは,もはや特殊能力の時代▼我が子には,せめて毎月1冊読んで欲しいが…2026/02/20
えすてい
35
少なくとも2010年代より某駅前スクールバス乗り場前にあったブックオフ(閉店済)に学生は見向きもせず素通りしてた。乗物好きとして鉄道雑誌をよく読むがSNS鉄道系投稿でこんな記事や特集が面白かったとコメントしても全然話が通じない。後者はオッサンが過去懐古の写真投稿でいいね集めしては「昔は良かった」ばかりで鉄道好き中高年でも鉄道雑誌非読なのだ。著者は大学生を中心とした行動様式に特化してるが中高年の非読もかなり促進され「読む」のは能動的なごく一粒にまで収斂していくのではと思う。非読社会の将来は不安でしかないが。2026/03/16
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