内容説明
著者による『映画を早送りで観る人たち』の待望の続編!
〈倍速視聴〉から見えたコンテンツ消費における〈コスパ〉〈タイパ〉という欲望は、
読書においてはどのように作用しているのか。
本作では、「本を読めない人たち」への徹底取材をはじめ、
テキスト受容を取り巻く読者と出版社/ウェブメディアの現状をリポートする。
一体「本を読めなくなった人」は何を考えているのか。
2010年代以降、本が読まれないことが当たり前になるなか、
ほとんどフォーカスされてこなかった。
生の声を取材することで、現代社会のメディア状況への考察を深めていく。
【目次】
プロローグ
第1章 ニュースを無料で読む人たち
――無料ウェブメディアの行き詰まり
第2章 本を読まない人たち
――〈わかりみ〉と〈おもしろみ〉
第3章 本と出合えない人たち
――無料抜粋記事と電子書籍の限界
第4章 本屋に行かない人たち
――聖域としての書店
終 章 紙の本に集う人たち
――読者と消費者
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ@no book, no life.
131
本がワインと同列になる。つまり好事家が懐古趣味的に興味を満足させる物が紙の本でその場所は書店であるという事。興味深く本に纏わる現代検証論でカルチャーショックを受けた本でもあった。長い文章を若い世代が読めなくなってきているからとか溢れる動画環境に支配されているから等は分かる伏線。例えば僕が大好きなガソリン車や腕時計やJAZZ・クラッシック音楽なぞと最早同等だという事。好きな好事家が好きな者同士で密かな優越感に浸りながら愉しむ物。軽自動車やApple Watchでも良いのだ。一方でそれで良いのかという僕も居る2026/03/22
tamami
116
非常に衝撃的な内容であった。ややネタバレ的になるけれども、スマホやAIがごく身近なものになることで、将来的には「読書」という行為、あるいはまとまった文章を読むということ自体、ごく少数の限られた人間の行為になってしまうかもしれない、という。著者は、人々がどのような形で知識に接したり情報を得ているのか、インタビューや様々な調査事例を通して分析し、現代の若者がいかに本を読まないか、またその必要を感じていないかを、これでもかと強調する。その帰結が上記である。我々は、本を読むことの面白さを知る最後の世代になるのか。2026/02/19
kinkin
101
読書、紙に書いてある文章を読み、また次のページをめくる、それの繰り返し。しかし髪をめくる音、本の匂い、紙質など紙の本はやっぱり好きだなあ。本をどんな媒体で読もうが、読まなくてもそれは社会の変化に左右されるのは仕方がないと思う。ただ本、本屋で買うと高いことにびっくり、文庫本でも1000円近く、単行本なら2000円なら安いほうかな。私は本屋さんには申し訳けないが図書館と古本。2026/04/06
十川×三(とがわばつぞう)
63
良書。書籍業界は想像以上に深刻。Z世代が高齢者時代,紙の本や書店や新聞が絶滅しているのではないか?! 皆無でなくても,現在のレコードのように細々と愛好家が趣味とする世界▼「読者」と「消費者」の説明は分かりやすい。価値観が違いすぎる▼書籍一冊読み通し理解できるのは,もはや特殊能力の時代▼我が子には,せめて毎月1冊読んで欲しいが…2026/02/20
小太郎
55
最近読んだ新書の中では一番身につまされました。本を取り巻く現況について、当事者の聞き取りやラジカルな洞察は読みごたえがありました(多分に牽強付会な所はあるけれど)。自分が感じていた漠然とした不安(本を読まなくなった人の増加、書店の減少、出版業界の赤字化、文章を書くことで生計を立てる難しさ、など)が明確に文章化されていました。筆者が書いている、これから向かうであろう本に纏わる諸現象に対する予言は現実に起こりうると思います。ある意味本を読む人は特殊なんだという今を見つめるには必読書です!★42026/04/09
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