内容説明
本書は、大学の理工系学部における基礎レベルの量子力学のテキストである。量子力学は、私たちの日常生活を支える科学技術の基礎を与える学問であるが、「粒子と波動の二重性」に起源をもつ、その奇妙で常識外れな基礎法則や諸概念のために、力学や電磁気学を学ぶときのような「わかった!」、「解けるようになった!」という実感がなかなかもてない。しかし、学ぶべき大切なことは、量子力学的な世界像(ミクロな世界に対する物質像や自然観)と量子力学のリテラシー(法則や概念を正しく理解して、量子力学的な諸問題に適用できる能力)だと考える。本書は、このような観点に立って、量子力学が“わかって使える”ようになることを目標にして書き上げたものである。
目次
量子力学のリテラシー
前期量子論
ミクロな世界を記述する式
波動関数
量子力学の前提
量子力学と古典力学との関係
ポテンシャル問題
調和振動子
角運動量と固有関数
水素原子
ディラックのブラ・ケット記法
スピン
摂動論
量子力学の検証と応用
著者等紹介
河辺哲次[カワベテツジ]
1949年福岡県出身。1972年東北大学工学部原子核工学科卒。1977年九州大学大学院理学研究科(物理学)博士課程修了(理学博士)。その後、高エネルギー物理学研究所(現:高エネルギー加速器研究機構KEK)助手、九州芸術工科大学助教授、同教授、九州大学大学院教授を経て、九州大学名誉教授。その間、文部省在外研究員としてコペンハーゲン大学のニールス・ボーア研究所(デンマーク国)に留学。専門は素粒子論、場の理論におけるカオス現象。非線形振動・波動現象、音響現象(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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