内容説明
日本軍を撃退した余占鰲.しかし,戦火のなか戴鳳蓮は銃弾に斃れ,配下のゲリラ部隊も全滅,村は報復により焼かれた.高密県東北郷の黒土を一面におおう,血の海のような赤い高粱.抗日戦争の時代を激しく生き抜く一族の物語はつづく.下巻は五つの連作中篇の後半三篇を収録する.(解説=張競)
目次
下巻の登場人物
第三章 犬の道
第四章 高粱の葬礼
第五章 犬の皮
跋
岩波文庫版への訳者あとがき
解説(張競)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
51
ここから続編『赤い高粱一族』となります。前編では最悪な馴れ初めだったとしても過酷な運命がスパイスとなり、仲睦まじい印象だった祖父祖母。だが、続編では複数の愛人によっていがみ合う夫婦という現実味に前編の印象を引き摺っている読者は呆気に取られるでしょう。その為か、作者の後書きではこの物語は伏線を散りばめたが、出来が悪いと評しています。また、人肉の味を覚えた飼い犬への殲滅戦は圧巻。しかし、野生世界の雄では当たり前な片方の睾丸喪失が人間では大層な事として捉えられる落差に改めて気づき、呆然となる事しばしばでした。2026/02/21




