内容説明
現代日本の混迷を救うため、
気鋭の政治哲学者、批評家の二人が挑んだ、全身全霊の対話。
柳宗悦、ガンディー、小林秀雄、福田恆存、『近代の超克』...
今こそ、名著の声を聴け!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえぽん
47
柳宗悦「南無阿弥陀仏」、ガンディー「獄中からの手紙」、河上徹太郎他「近代の超克」等を題材にした2哲学者による対談本。両氏の感性がシンクロし、1人が書いたと誤解するほど。全体主義に転換しがちな戦前の東洋的宗教思想とは異なり、ホリスティックでも多元的であることが重要という。ガンディーの考えには、非暴力は暴力より積極的で「目に見えない力の沈黙」だとするものがあるという。「近代の超克」は大戦参入を容易にしたとして批判されるが、本書では知識人の言説分析に終始した読み方を逆に批判するなど独自の読み方にも一定の説得感。2025/04/23
marco
44
副題にある「本当の『読む』を取り戻す」とは、なんと大仰な! と思いつつ読み始めた。小林秀雄を除き、本書に登場する、柳宗悦、ガンディー、福田恆存の著作、そして、『近代の超克』を僕は読んだことがない。どれも歯が立ちそうにない。でも、中島岳志、若松英輔のふたりに触発され、「読む」行為を始めようとしている。2015/01/29
1.3manen
28
民衆のものを民衆の手に取り戻すことが柳の根本問題(17頁)。法然、親鸞は民衆のなかに生きた、生きようとした宗教者(25頁)。空海も綜芸種智院だし。もともと価値とは絶対的なものの顕われを意味し、永遠を結びつく何ものかを表現するときに用いる(32頁)。無縁とは限定された有縁を超えた無限の縁の中に自己を置くこと(38頁)。ガンディーも衆愚を許さず、非暴力は個によって生れ、実践、他者との結束を生むことを知っていた (61頁)。多様な読みを可能とする柳の『南無阿弥陀仏』(65頁)。2015/07/23
nbhd
18
感動というのか何というのか、うまく言えない。僕にとっては、2016いまいちばん気になっている2人なのだけど、2人とも、宗教のもうひとつ高次に「宗教意識」あるいは「霊性」といったものを当たり前のように掲げて話をすすめていくので、ある面で薄ら怖く、またある面でヘンに心地のよい読書だった。そんな2人が柳宗悦、ガンディー、小林秀雄、福田恆存、「近代の超克」論文などについてあれこれ語っている。これからしばらくは「近代」について考えていこうと思っている現状、いろいろと勉強して、またここに戻って来ようとおもう一冊だ。2016/10/01
koji
11
2015年も日本人論を追いかけます。1月2日のEテレ「100分de日本人論」を皮切りに、「戦後史証言プロジェクト」を見続け、先月は「経済行動と宗教」、「東京自叙伝」を読み、そして本書に至りました。本書で語られている中で、とりわけ印象深いのは、①賠償金で片を付けた水俣病に「それでは真の解決にならない」と立ち上がった石牟礼道子の思想を3.11後の思想的総括をしないまま復興が進むことと対比させた深い視座、②義満が「近代の超克」で語った霊性、無の思想の深遠さです。死者を語る本書の前で、私はただ沈黙するのみです。2015/02/03




