内容説明
ハイデガーの「存在の思索」に寄り添いつつ、
従来のギリシア哲学史観を覆し、現代を鋭く問い直す野心作。
存在と主観性――西洋形而上学、2500年の抗争!
ギリシア哲学の権威にしてハイデガー研究の第一人者でもある著者が、「存在の故郷」を求むべく古代ギリシアの文献を読み解き、人類にとって原初の思索・哲学を「みずみずしい姿」で蘇らせると同時に、その検討を通して西洋哲学一般、近代科学、現代の人間の思考のあり方そのものに疑問を呈する。過激にして痛快な現代文明批判の書(上下巻)。
【本書の特徴】
●ソクラテス・プラトン哲学ではなく、初期ギリシア哲学をギリシア哲学の本体とする、世界でも類を見ない画期的な論述。
●存在と主観性の対立・葛藤を軸に、その戦いは現代でも続いていて、現代人の思考法にも大きく影響しているとの立場から、著者独自の鋭い文明批評を展開。
●哲学者の思想を博物館の展示のように「剥製」にして取り上げるのではなく、「生きた哲学・思想」として浮かび上がらせ、詳述。
●魅力あふれる当時の哲学者の生き方・人物をも詳細に紹介。
●抗争の歴史に一息いれるコラム、登場する主な哲学者の生没年早見表、当時のギリシアおよび周辺諸国地図、人名索引つき。
下巻に登場する主な哲学者
・ゴルギアス 言葉に淫した男
・プロタゴラス 「万物の尺度は人間である」
・ソクラテス 「知って不正をなす者は知らずになす者よりもよい」
・エウクレイデス(メガラ派) 争論学派の祖
・アリスティッポス「所有しても所有されない」
・プラトン 「われわれ人間は洞窟の奥に壁に向かって坐らされている囚人にも等しい」
・アリストテレス 「存在はさまざまな意味で語られる」
・ゼノン(ストア派) 「自然に一致して生きる」
・エピクロス 「死はわれわれに係わりない」
・プロティノス 「一者=神との合体がわれわれ人間に課せられた畢生の課題」
・デカルト 「われ思う、ゆえにわれあり」。確実性を求める主観性の志向性
・カント 認識の本性と限界を画定すべく批判哲学を創始。
・フッサール 現象学の創始者。すべての知を意識の事実性に還元した(超越論的還元)。
・ヘーゲル「西洋形而上学の完成」(ハイデガー)
・ジャンケレヴィッチ「プラトンは、ただ一箇所を除いて、死の真実は何も述べていない」
・西田幾多郎「プラトンの哲学には個というものがない。アリストテレスの個も意志的ではない」
・ハイデガー 存在の思索
目次
本書(下巻)に登場する主な哲学者 生没年早見表
紀元前3・4世紀ごろのギリシアと周辺諸国地図
第16講 ゴルギアス
否定性の哲学
コラム:ソピスト、ゴルギアス
第17講 ソピスト――存在の残響――
技術家集団、ソピストたち。
ノモスとピュシス
第18講 プロタゴラスvsソクラテス
ソクラテスvsプロタゴラス
ソクラテス的志向性
第19講 プラトン
イデア論
知識論
想起説
分有説
魂の不死説
哲学は死の準備である。
善のイデア
弁証法
プラトンの構想する世界構造
洞窟の比喩
哲人王説
四基徳
デミウルゴス
プラトンの後期思想
コラム:プラトンの生涯と著作
第20講 アリストテレス(其の一)
哲学者アリストテレス
コラム:アリストテレスの生涯と著作
第21講 アリストテレス(其の二)
アリストテレスの学問分類
形而上学
(一)アリストテレスのイデア論批判
(二)アリストテレスの存在論
第22講 アリストテレス(其の三)
自然学
第23講 アリストテレス(其の四)
倫理学
制作術
第24講 ヘレニズム哲学(其の一)
ヘレニズム期展望
徳(〓ρετ〓)
(一)アンティステネスとキュニコス派
(二)ストア哲学
第25講 ヘレニズム哲学(其の二)
快(〓δον〓)
(一)キュレネ派の快楽思想
(二)エピクロス哲学
第26講 ヘレニズム哲学(其の三)
知(σοφ〓α,〓πιστ〓μη)
(一)エウクレイデスとメガラ派
(二)ヘレニズム期における懐疑哲学
第27講 新プラトン哲学
(一)新プラトン主義への前奏
(二)新プラトン哲学
コラム:新プラトン主義の諸派
第28講 ギリシア哲学と魂(プシュケー)
第29講 ハイデガーと西洋形而上学(其の一)
はじめに
主観性の形而上学
西洋形而上学(プラトニズム)と科学
主観性原理によって出現した超越の巨大な構造(中世世界)
西洋形而上学の近代における現れ(認識の哲学)
主観性の自己意識(自覚)
「正しさ」の哲学(真理の頽落態)
「正しい哲学」と後期近代世界
ヘーゲル哲学
アートマン、ブラフマンを飲み込む
西洋形而上学の帰結としての近代世界(ハイデガー対世界)
存在の故郷への望郷
第30講 ハイデガーと西洋形而上学(其の二)
はじめに
主観性原理の登場
存在(ピュシス)と主観性の初期ギリシア期における抗争
ギリシアの主観性
ヘブライズムの神(巨大な主観性)の西洋精神史への登場
「自然と主体の統合」というテーマについて。
あとがき
人名索引
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Gokkey
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Οὖτις




