内容説明
2023年本屋大賞翻訳小説部門第1位
自称無法者の少女ダッチェスが住む町に帰ってきた30年前の事件の加害者。彼の帰還は、ダッチェスを苛烈な運命へ巻き込んでいく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
58
ハルの死後、考えるとこがあったのか、ダッチェスは周囲に反発ばかりてもなくなった。先行きが心配されたが、ロビン共に先が見えつつ、光明がさして来たか。ヴィンセント、ウォーク、更には、マーサ他登場人物は、問題ばかり抱えていた。それぞれに、新たな展開が訪れ、作品は終わったが、心に残るものとなりました。2025/12/17
Shun
28
出所したヴィンセントが保有する屋敷に近づく屈強で寡黙な男ダークは新たな災厄か。ダッチェスは母に近寄ってきた悪い男たちに一矢報いるべく標的の男が保有する店に夜間忍び入り、あろうことか放火してしまう。その結果は少女が想像して以上の悲劇を引き寄せ、ダッチェスは愛する弟ロビンと共に疎遠だった祖父の農場へと身を寄せることとなった。無法者としての矜持を持ちつつも大自然の中で初めて穏やかな心境を獲得しつつある姉弟だったが、そこへ過去が清算を求めるように忍び寄る。過去に縛られた大人たちと若き無法者の未来に光あらんことを。2025/11/30
ちゃんぐ
11
文庫版なので解説があった。ミステリーと教養小説とロード・ノヴェルが一体となった”終わりから始める人々の物語”。まさに言いえて妙。読み終えて、これはミステリーというジャンルではなく、登場人物の内面を炙り出す日本で言うところの純文学に近い感覚だ。ダッチェスの心の移ろい、事件の核心、明かされなかった真実、と一言では言い表せられないいろいろな要素を孕んでいる。最後はハッピーではないが、ある種の安寧を感じさせる結末ではあった。2026/01/31
すいそ・はいどろ
6
なかなかタフな物語でした。大人が自分たちの都合で子供の生きる形を捻じ曲げてはいけない。どうにもならないことは数多くあるが、自分のことは自分で引き受けるべきだ。子供に自らを無法者と呼ばせてはならない。信じられるものを子供の目の前にわかる形で置いておくことが大事だと思う。そのことを基準に考えるなら、ほかにやりようがあったように思うが。単純なバッドエンドではなかったことは救いかな。2026/02/12
とうき
5
原題の通り、立ち直れないように見える絶望から何度も立ち上がって希望を見出していく話で心に残る傑作だった。 細かい心の動きの表現がうまくて地の文で書かずにセリフや行動でも伝わってくるのが美しい。 ミステリのつもりで読むとちょっと違うのだが作品として本当に良かった。2025/12/13




