まぶしい便り

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まぶしい便り

  • 著者名:ペク・スリン【著】/カン・バンファ【訳】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 書肆侃侃房(2025/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784863856837

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内容説明

悲しみのトンネルの先にあふれる明るい光のように
長い時間を経て届いた切ない和解の挨拶


「遠い国や長い歴史を超えて、封印していた恋の秘密が解き明かされるとき、私たちはきっと前よりも少し成長している。」――島本理生(小説家)

美しい文章とあたたかなまなざしで描くペク・スリンの初長編にして最高傑作

派遣看護師としてドイツに渡っていた伯母を頼り、母と幼い妹とともに西ドイツに移り住んだヘミ。悲劇的な事故により心に傷を負ったまま、孤独な日々を過ごすヘミだったが、伯母と同じ派遣看護師のおばさんたちの子どもであるレナ、ハンスと過ごすうち、徐々に日常を取り戻していく。ある日ハンスから、再発の可能性がある大病を抱える母親・ソンジャの初恋の相手を探してほしいと頼まれる。ソンジャおばさんの日記を手がかりに捜索を始めたヘミだったが、急遽家族で帰国することに。
大人になったヘミは、ある日、大学時代にほのかな恋愛感情を抱いていたウジェと偶然再会する。彼との会話をきっかけに、ヘミは再び、ソンジャおばさんの初恋の相手探しを再開する。

【著者】
ペク・スリン
短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。2015年、2017年、2019年若い作家賞、2018年文知文学賞、李海朝文学賞、2020年現代文学賞、韓国日報文学賞。著書に短編集『惨憺たる光』『夏のヴィラ』(書肆侃侃房刊)『フォーリング・イン・ポール』、掌編小説『今夜は消えないで』、中編小説『親愛なる、親愛なる』、エッセー『やさしい毎日毎日』『とても久しぶりに幸せだという感じ』、近刊に『春の夜のすべて』などがある。

カン・バンファ
岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー、同院アトリエなどで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。和訳書にペク・スリン『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』『派遣者たち』『惑星語書店』など。児童書の韓訳も手掛ける。著書に『??? ?? ??(日本語翻訳スキル)』(共著)。

目次

まぶしい便り

参考文献

著者あとがき

訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

57
【わたしたちは誰もが、そこにいるだけで太初の星ほどに美しい存在なのかもしれない】極東の貧しい分断国家から、外貨稼ぎのために派遣看護師としてドイツに渡った人々を描いた、著者初の長編小説。韓国で2023年に、翻訳も同年。巻末に参考文献。語り手の私は、12歳から14歳までドイツの伯母さんの家で暮らした。伯母さんは言う。「憶えておいて。辛くなったら、必ずわたしに言ってほしいの。一人で背負おうとしちゃダメ。あなたがどんなに強くたくましい子でも、この世に一人で耐えなきゃならない悲しみなんてないんだから。いい?」と。⇒2025/12/22

ケイティ

30
1960年代、韓国の国策で派遣看護師としてにより西ドイツに渡った伯母を頼って、母と妹とドイツに移住したヘミ。現地の友達ハンスから、母ソンジャの初恋の人を探すよう頼まれる。当時の日記を手掛かりに推察を進めるも、人物特定できないまま韓国に帰国することに。物語はドイツ時代と、大学時代の同級生と仲を深めていく現在のヘミが交互に描かれる。設定はありがちだが、嘘や孤独、喪失感を抱えて生きる一人ひとりにスポットを当て、小さなことにも丁寧に向き合う誠実さを感じさせる文章がずっと心地よかった。タイトル通りの爽やかな読後感。2025/08/12

Kanako

15
ペク・スリンさんの本は本当にどれも素晴らしい。かけがえのない人との出会い、そして訪れる別れをこうも繊細に描けるものなのか。家計を助けるため、ドイツに看護師として渡った韓国人女性たちが、苦悩や不安を抱えながらもお互いに助け合い、それぞれ大切な出会いを果たす。ドイツと韓国という遠く離れた国々で、お互いを大切に想い合う人々を描く。架け橋となる日記や手紙の存在も愛おしい。切ないのにとても眩しい暖かさを感じる物語。2025/10/11

Matoka

12
今年のベスト本入り決定!ドイツに准看護師として多くの韓国人女性が海を超えていたという歴史を全く知らなかった。韓国とドイツが結びついていなかった。文章や言葉選びがとても素敵で、情景が映画を観てるかのように目に浮かんだ。亡くなる前に初恋の人を見つけようと時代と国を超えて帆走する主人公たち。優しい嘘のやりとりが切なくもあたたかい。大切な人を想う気持ちをずっとにぎりしめながら生きていく強くて弱い人々の物語…最後の手紙は確かにとてもまぶしく優しく光り輝いていた。2025/09/20

naff1968

8
他人のことなんてほんとうにはわからない。印象と、言葉の断片だけでついつい決めつけてしまうけれど。このやさしくて、悲しくて、そして美しい物語に猛省を促されてる気がします。2025/08/06

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