内容説明
職場復帰をめざしリハビリに励んでいる児童養護施設・七海学園の保育士・北沢春菜。七不思議が伝わる学園では、彼女が不在の間にも子どもたちの身辺で不思議な出来事が続いていた。一緒に終点まで乗ったはずの循環バスの中から忽然と消えた少女。かつて母の死期を予知した少女が目撃した“未来の殺人”。駅伝大会の中継地点で襷を渡し終わるとともに消失した少年ランナー。そして学園内のあちこちでは、殺人を告発する宛名のないメッセージが現れ──。『七つの海を照らす星』『アルバトロスは羽ばたかない』の感動と驚愕が甦る、シリーズ完全新作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
108
温かい謎解きの一冊。児童養護施設、七海学園ミステリ。シリーズ最新作とあって文句なしに期待は高まる。学園をとりまく数々の謎を楽しみながら進むページ。この作家さんはつくづく小さな世界を切り取りながら最後に全てを集め大きな世界を見せるのが巧いと思う。今作も一つ一つの小さな欠片がこう繋がりを見せるなんて。特に"わたしがあの人を殺した"という言葉の意味といい謎が解き明かされゆく終盤はとにかく夢中にさせられ、見事な反転にやられた。施設の子たちが背負っているもの、保育士たちの眼差し、全てを温かさで包むこの謎解き、好き。2026/03/25
しんたろー
100
シリーズ第4弾…前作を読んだのが8年前…背景や主要登場人物を辛うじて覚えている程度の記憶力なので「再読が必要だった~」と思いながらの冒頭数十頁だったが、次第に独特の世界観を思い出して惹き込まれた。連作短編形式ながら、最終話に各話に散りばめられていた数々の伏線回収がなされ「相変わらず凄いなー」と感心。著者の人物や心情を丁寧に描く筆致は、相変らず切なくも優しいし、様々な社会問題も織り込んでいてミステリとしても素晴らしい。今年初め既読『刹那の夏』との繋がりも判らないダメな私は、全作を読み返さなくては!(苦笑)。2026/06/07
nobby
72
シリーズ3作再読して満を持して臨んだ15年ぶり新作♬まず第1話で目にする彼女の復活に安堵。「わたしって誰?」太字で示された意味深な問いがもうこんな所から!どこかで聞いた名前が続々登場にニヤリとしながらも、毎度ながら結構バラつくエピソードに置いていかれない様に必死!ずっと変わらず児童福祉がテーマ故か、なかなか浮き彫りになる事実は重く哀しく…それが最後にはまたやり過ぎとばかりに見事につながる。『わたしがいなくなった世界に』このタイトルの世界が全てひっくり返るのに唖然呆然!そして既視感のあるラストでは思わず涙…2026/02/28
ままこ
63
久々のシリーズ最新刊。七海学園の保育士に復帰するためリハビリに励む春菜の元へいつくかの謎が持ち込まれる。異文化適応『星の子』の意味に納得。卑劣な胸糞悪すぎるあの父親たちには怒りしかない💢不可解な出来事。角度を変えた視点。思わず息を呑んでしまった反転する世界。ああっ、全ては繋がった。タイトルはそういうことだったのか。辛い過去を抱える個性的な子供達の繊細な心情の表現がとても秀逸。様々な問題の芯を捉えたハッとする言葉が胸に染み込む。七河さんが紡ぎ出す切なくも温かい感嘆するミステリ。面白かった。2026/03/03
雪紫
60
これの前に「アルバトロス」は読み返した方がいい、絶対に。ズドンと来ます。大半謎の消失の謎がひとつの大仕掛けとタイトルに繋がっていく。解決編の途中表紙を見て「ああ・・・」となったのにまだ、タイトルと合わせて来るわ・・・(何気に「わたしの隣の王国」思わせるところ込みで)。そういや、心配性(いや無理ないって)のお母さんは大丈夫?さらに事件起きてたぞ。なお単独の好みは「サンクトゥス」で。2025/12/23




