内容説明
職場復帰をめざしリハビリに励んでいる児童養護施設・七海学園の保育士・北沢春菜。七不思議が伝わる学園では、彼女が不在の間にも子どもたちの身辺で不思議な出来事が続いていた。一緒に終点まで乗ったはずの循環バスの中から忽然と消えた少女。かつて母の死期を予知した少女が目撃した“未来の殺人”。駅伝大会の中継地点で襷を渡し終わるとともに消失した少年ランナー。そして学園内のあちこちでは、殺人を告発する宛名のないメッセージが現れ──。『七つの海を照らす星』『アルバトロスは羽ばたかない』の感動と驚愕が甦る、シリーズ完全新作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
53
これの前に「アルバトロス」は読み返した方がいい、絶対に。ズドンと来ます。大半謎の消失の謎がひとつの大仕掛けとタイトルに繋がっていく。解決編の途中表紙を見て「ああ・・・」となったのにまだ、タイトルと合わせて来るわ・・・(何気に「わたしの隣の王国」思わせるところ込みで)。そういや、心配性(いや無理ないって)のお母さんは大丈夫?さらに事件起きてたぞ。なお単独の好みは「サンクトゥス」で。2025/12/23
いちろく
29
13年ぶりに刊行された七海学園シリーズの続編。作中ではこれほどの時間は流れていないけれど、現実では昨今の時代の流れや変化もあるのか? これまでのシリーズ以上に児童福祉に関する専門的な記載がより詳細に描かれていた印象。それでも最後のページまで読み終えると、ミステリの側面でも物語の側面でも七河迦南といえばコレだよね、というらしさを感じ期待していたモノは満たされた感覚はあった。一方でシリーズ過去作の既読はより必須であり、読んでいる前提で描かれている記載もこれまで以上に感じた部分もある。2025/11/21
ゆきりんご
18
七海学園シリーズとしては15年ぶりの続編。今作は前作から少し後の話で、子どもたちも学年が上がって登場。学園の子どもたちの周りで起きるいくつかの不思議な出来事と物語を貫くひとりの少女をめぐる謎。高校生になった女生徒3人の存在が大きい。外からみえていた彼女たちの姿とそれぞれの内心。彼女の姿を再び見ることができたのは嬉しい限り。様々な体験をしてきた子どもたちと対峙する職員たちの誠実な姿を好ましく思う。言葉のこだわりも含め、あの七海学園の物語だと嬉しくなる。前作との繋がりが多く、再読して臨んだので、より楽しめた。2026/01/03
ユメ
18
またしても七河さんの筆力に圧倒されたし、物語の持つ力に胸が震えた。本作の最大の仕掛けは、ビジュアルの存在しない小説という媒体だからこそ成立するように思う。そういうミステリに出会えると、小説好きとして胸が高鳴る。同時に、終盤で真相が明かされ、ひとりの少女が懸命に生き抜いてきた世界の切実さが露わになったことには胸が痛んだ。七海学園の子どもたちの未来に、少しでも多くの光が差しこむようにと祈らずにはいられない。困難に満ちた日々を生き抜く子どもたちの力と、その力を信じようとする大人たちの誠実さが、深く心に刻まれる。2025/12/15
ほたる
11
タイトルが持つ意味、全てにおいて秀逸だった。連作短編の形式で綴られる数々の謎はまさに七海学園シリーズの真骨頂。それぞれのキャラクターが明確な「意志」を持って行動するところにもまた惹かれる。このシリーズだからこその展開に驚き、目頭も熱くなる。2025/12/07




