内容説明
なぜあのような最期を遂げたのか――。
「からっぽな大国」化する日本に蹶起した
三島の内的動機を多面的に読み解く。
一九七〇年十一月二十五日、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地を取材し、
近くに住む江藤淳の談話をとった元新聞記者の著者が、
激動する昭和に生き、自決に至った三島の内的動機を、
初期から晩年までの作品世界を緻密に読み解きながら明かす。
「草思社文芸社大賞2024」大賞受賞作。
[目次]
プロローグ 海と〈乃木神話〉
第一章 ダンヌンツィオに恋をして
第二章 「太宰さんの文学は嫌いです」
第三章 アルカディアは何処に
第四章 金閣炎上と〈肉体改造〉
第五章 〈白亜の邸宅〉の迷宮へ
第六章 雪の朝、銃声響く
第七章 「この庭には何もない」
第八章 〈英雄〉と蹶起
第九章 無機的で、からっぽな大国
エピローグ 〈物語〉へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
124
なぜ三島由紀夫は歴史に刻まれる最後を選択したのか。あの日に江藤淳の談話を取った元新聞記者は半世紀余にわたり謎を探し続けてきた末に、少年時代からの「英雄願望」に根源を見る。あふれる才能で戦後文壇の寵児となった三島だが、英雄としての華々しい死という夢に間に合わなかったとの想いは内心で燻り続けた。作家として成功後も英雄たる道を模索した結果、ひ弱な書斎人ではなく街頭に立つ行動家たらんと決意して肉体を鍛錬し、まだ若いといえるうちに決行したのだと。昭和45年11月25日は、男が描いたロマンと美学への殉死であったのだ。2025/11/15
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