内容説明
“闇”の力を借りアルゼンチンの政財界の裏側で暗躍する〈教団(オルデン)〉と、それを司るブラッドフォード家。生贄を捧げる儀式で“闇”を呼びだす霊媒として利用され続けてきたフアンは、息子ガスパルも同じ力を有することに気づく。死期が間近の自分が倒れる前に、息子を逃がす計画をたてるが、〈教団〉の包囲網は次第に狭められていった……。現実と異界を行き来し繰り広げられる流血の狂騒曲!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
59
アルゼンチンは長きに渡り、独裁政権下にあり、政権に異を唱えたと見なされれば、逮捕・拷問による行方不明者が多かった事を知っていれば、この物語はグッと入りやすくなるだろう。悪魔崇拝によってアルゼンチン政権を支配してきた教団で厚遇されているフアンは悪魔だけでなく、「闇」も下せる霊媒だ。最愛の妻を殺され、度重なる霊媒行為によってボロボロにさせられた心臓という爆弾を抱えた彼は同じ運命を息子、ガスパルに歩ませない為に逃亡を図る。だが、教団の影は根深く、身体・精神的にも不利な彼も徹底的に抵抗する事はできなかった。2026/05/10
あたびー
39
ただただこの父と子が不憫だった。父は息子を邪教団から守ろうとし、守るために傷つけてしまう。傷つけられた息子は父を恐れ反抗し、いっそ早く死んでくれればと思いながら、離れたくないと思っている。近所のいわく付きの家で姿を消した隻腕の少女の行方は?父フアンの死後息子ガスパルの運命は?ガスパルの祖父母が統べる邪教団の魔の手からガスパルは逃れることができるのか?さて下巻へ。2025/10/21
よーよー
38
イメージしていたダークホラーとは毛色が違い、上巻のうちは物語が静かに、じわじわと進んでいく印象だった。しかし、終盤になってようやく事態が大きく動き出し、一気に引き込まれた。 作中に漂う流血や歪んだ親子関係、魔術といった陰鬱でグロテスクな要素が、この物語の不気味さをより一層引き立てている。あらすじで見たあの奇妙な世界の本質を早く味わいたくて、すぐにでも下巻を手に取りたくなる一冊だ。2026/06/07
Shun
31
アルゼンチン発のホラー小説。南米を舞台に邪なる教団の暗躍、そして”闇”の力に干渉できる霊媒の存在が鍵となる。抽象的な表現となっている闇の力とは何か、霊媒師として教団から利用され続けてきた男フアンはその特殊な力ゆえに好待遇の生活を送りつつも運命からは逃れられない。強大な力ゆえに代償も大きく、死期が刻々と迫っていた。また愛する妻は陰謀めいた事故死を遂げ、残された息子もまた男と同様の特殊な力の片鱗を見せ教団に狙われること必至。息子を守るためフアンは教団に抗う計画を立てる・・・。悪魔や呪術的設定がこの世界観の要。2025/10/28
tom
24
今のところ、登場人物たちがどんな状況に置かれているのか、何をしようとしているのか、いまいち不明。下巻に進んだら、とんでもないホラーな状況が現れるのかと期待している。どうだろう? ところでこの小説は南米産。かの地域の小説は、独特の雰囲気があるけれど、この本もまた同じ。そこのところが興味深い。2026/01/10
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