内容説明
巫女修行中の姫菜子(きなこ)と環希(たまき)は、「相似巫女(そうじみこ)」と呼ばれるほどうり二つ。ある特別な夜、二人は伝統の神事に参加した。それは閉ざされた村の秘められた祭祀。灯影ゆらめく神託のとき、絶叫が響く。密室と化した本殿で、首と右腕が無い巫女が、祭壇の前に鎮座していた――。謎めいた六人の巫女、二つの家系、禍々しい惨劇の真相とは。〈巫女探偵〉姫菜子と環希の推理が冴えるミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
18
「相似巫女」と呼ばれるほどうりふたつな巫女修行中の姫菜子と環希が、閉ざされた村の伝統的な神事で起きた禍々しい惨劇の真相を解き明かすミステリ。密室と化した本殿で発見された、祭壇の前に鎮座する首と右腕が無い巫女。二つの家系を絡めた登場人物のほとんどが巫女という特異な構図の中で、〈巫女探偵〉姫菜子と環希が事件の謎に迫る展開で、ミステリとしてはやや薄めながらも、巫女たちの家族的なつながりや、閉鎖的な村社会に生きる者たちの悲哀といった人物描写や村の背景に重きを置いていた印象で、相似巫女もなかなか存在感がありました。2025/10/30
ほたる
11
設定と事件に引き込まれて楽しく読めたが、ちょっと薄い感じもした。とはいえいい感じであったんじゃないかなと思う。密室で起きていることに加えて、凄惨な現場になっていたのはなぜか。解くための条件の出し方とそれを処理する論理はこの状況ゆえのもので良かった。2025/10/14
ICHI (atomic)
4
巫女修行中の二人は『相似巫女』と呼ばれる程うり二つ。閉ざされた村の秘められた祭祀、灯影ゆらめく神託のとき絶叫が響く 館シリーズと打って変わって、あっと驚くようなトリックや逸話がなかった。閉ざされた村の真実には騙されたけど、あの驚きを体感したい2025/10/29
ジャム
3
最近巫女モノミステリーの新刊が多い。これも巫女が主役のミステリーで双子のようにそっくりな相似巫女探偵が彼女らの住む因習村で起きた密室殺人を解く話だ。登場人物もほぼ巫女だけというまさに巫女ミステリーで萌える...というよりはモノ悲しさが全編に漂う作品だった。2025/10/20
サンライズ
2
悪い意味でファンタジーな雰囲気が足を引っ張っていたと思う。設定上は戦後間もない時期の話だし、真相もそこに絡んでるのだけど、あまり終戦直後という設定から想起されるほこりっぽさや小汚さみたいなものがなく、物語に厚みがなくなっている気がする。全体に、設定に説得力を与えるような書き方をされていなかったというか、読んでいて舞台の「隠れ里」がどんな地形なのか全然頭に浮かばなかったのも痛い。2025/10/29




