内容説明
怪異をもたらす存在として、死後も恐れられた男・木山千景(きやまちかげ)。
生前の木山は魂の色が視える才能あふれる見鬼でありながら、ひどく病弱だった。少しでも生き永らえるため妖術にすがる木山は、人と怪異の仲立ちを生業とする一族の当主・帯刀燈(たてわきあかり)に弟子入りし、教えを乞う。
顔食みの面、襲いかかる生人形、晩夏の町に現れた雪女…帯刀の元には数々の悍ましい怪奇事件が舞い込んできた。後世に悪名を轟かせる男の苦悩と葛藤の日々を描いた怪異譚。
『夜行堂奇譚』が贈る、もうひとつの執念の物語(スピンオフ)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
32
木山の生い立ちや環境は分かったけど、持って生まれた性格ってあると思うなぁ。木山は最初から変わらず木山だった。2025/09/18
にゃるび
12
献本が当たったので、早速読了。実は夜行堂奇譚は、コミカライズ版のみ読了しているので原作がまだ読めてないところもある。コミカライズがちょうど帯刀老の葬儀のところだったので、結構タイムリー。これ単体でも楽しめました。裏表紙の雪女が美しい。お互い腹に一物を抱える師弟関係はよいですね。怪異との距離の取り方もよかった。夜行堂奇譚の方も原作をよもうかな。2025/09/18
anxiety
9
「夜行堂奇譚」の帯刀と木山が、かつて師弟関係であった頃のエピソードのみを抽出した一冊。ただ今巻初出の話ってどれ位あるんだろう。最終話を除き、どれも読んだことある様なない様な…?晩年の万事に鷹揚な帯刀と、歩く厄災と成り果てた木山のまだ十分に人間臭い様子が楽しく、そしてその後の時の流れが二人に齎したものを思わされて悲しい。特に最終話、二人で屋台の林檎飴をかじるシーンが千早と大野木の遣り取りとダブって余計に沁みる。2025/09/22
杳
7
帯刀老と木山氏の若かりし頃の物語――事象を冷めた目で俯瞰しているようで熱い帯刀と斜に構えながら青さと初々しさの否めない木山の、近付き過ぎない距離を探りあってる関係が、どこか微笑ましい。後の関係を知っていると、ほのぼのしてばかりもいられないのだけれど……。2025/09/02
しゅがー
5
この二人の生き生きと活躍している姿が見られるのは面白かった。意外と良い感じのコンビだったと思う。そして木山の若い時の試行錯誤しながら探求する姿を見れて良かった。2025/08/29
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