内容説明
【社会の「呪い」を検証する】
ネットニュースやSNSで以下のようなメッセージを耳にしたことはないだろうか。
「日本はオワコン」「人生は幸せになるためにある」「やりたいことを仕事に」「資本主義ゲームや競争から降りよう」「この世は親ガチャで決まる運ゲー」
本書における“呪い”とは、このような気づかぬうちに私たちの思考と行動を縛り、時に重圧を与えてくる言葉を指す。しかし、全て“根拠のない思い込み”だとしたら、どうだろう。
人気サイエンスジャーナリスト・鈴木祐氏が、データ&エビデンスをもとに呪いの真偽を徹底検証! いま明かされる「あるべき論の偽り」とそれに踊らされる「人間心理のメカニズム」 。私たちは言葉とバイアスが作る“透明な牢獄”から抜け出せるか。
経済や幸福、働き方、遺伝と才能―現代人が信じ込んできた“正しさ”を、鈴木氏が鮮やかなまでに撃ち砕く。思い込みから脱し、真に自由になるための書がここに誕生。
<本書で検証する主な「呪い」>
・日本は、少子高齢化で未来がない
・人は幸せになるために生きている
・もう経済成長はいらない
・情熱を持って仕事に取り組め
・人生は遺伝で決まるetc.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネロ
20
s+/面白い!天地がひっくり返るような...どれほど誤った価値観や情報に踊らされてきたか、常識を覆される思い。バイアスの面白さが詰まってる。/ 日本は人口減少での経済影響や社会保障問題も、思っていたほど悪くならなそう、どころか良くなりそう?/幸せを求めるなら、ネガティヴや苦痛を求めるよ/「小さな改善」で満足感を得よ/情熱を持って取り組むな!大事なこと・目的・役割を着実にこなすことに意識を向けよ。/目標は持つな!「ベストを尽くせ」「やりがいや、楽しさ」に集中せよ。/努力できるかは遺伝子しだい説はほぼ誤り2025/11/30
まいこ
11
例えば遺伝の話だとか、日本にはもう希望がなさそうだという話や、幸福度も低い話だとか、そういうあれこれを思い出した。特に遺伝率の話は、じっくり読んでもやっぱり難しい。この本は別の物語を提示している。心がざわつく、この体験こそ認知の複雑性を高めるのに必要なんだな。ネガティブで不安を引き起こすような情報に脳は反応して生き延びてきたし、現代は情報技術の発達により呪いの拡散スピードが桁違いになった。意識していないと、認知が極端にシンプルになってしまいそう。2025/11/03
あつお
10
本書は、SNSや通説が生む同調・比較・暗黙の規範を「呪い」と名づけ、思考と感情が静かに侵食される仕組みを進化心理学と脳科学で解き明かします。日本衰退や幸福至上、情熱信仰などの言い切りを鵜呑みにせず、統計と論文で確かめる姿勢が、安易な楽観でも悲観でもないのが印象的でした。モヤモヤに名前が付くことで距離を取れる感覚も心強く、SNSの接触量を減らすなど「やめる設計」を始めたくなります。読後は、不快やストレスを避けずにキャパシティを広げ、良い影響だけを選ぶフィルターを磨き、自分の物語へ軸を戻したいと感じます。2025/11/07
hannahhannah
9
サイエンス・ジャーナリストの最新刊。現代社会に蔓延る呪いについて。未来は絶望しかない、幸せになれ、競争から降りてみんなで貧しくなろう、情熱のない人生は虚しい、人生は遺伝で決まるから努力には意味がない。これらを最新の研究、分析から批判していく。成熟経済の国においては人口の増減が経済にもたらす影響は意外なほど小さいというのが印象的だった。また、遺伝についても遺伝率という観点から見ると遺伝が絶対ではないということが分かる。また読んでもい良いと思える本でした。2025/10/09
はるき
8
日本人が知らず知らずに信じている社会不安を、事実ベースでぶち壊す。将来に不安を感じることが少子化、不況を呼び起こす現代。今こそ読むべき良書。2025/12/17




